アドラー心理学では、課題の分離や目的論、共同体感覚などいくつかの考え方が用いられています。
その考え方は、大人だけではなく子どもたちの教育にも活用されています。
この考え方の中で、アドラーが伝えたかった事とはいったい何だったのでしょうか?
目次
アドラーは何を伝えたかった?
まず初めに、アドラー心理学でよく出てくる用語のいくつかを簡単に説明します。
- 課題の分離
問題の対して、誰が結末を引き受けるか考え、干渉せず線引きすること - 目的論
人間の行動は過去の原因からくるものではなく「こうしたい」という目的があるからこそ、その行動を選んでいる。 - 横の関係
親子でも上司と部下でも人間同士はあくまで対等な関係であり
縦の上下関係は支配や承認欲求から逃れられない - 勇気づけ
自分で物事を経験し、「自分でできた」「自分で成し遂げる能力がある」と信じて
勇気をもって行動できるように支援すること
↓こちらの記事でも解説しています!
ひとは自分自身で成長する力がある
上記の考え方から
- 人は過去の環境やトラウマだけで人生は決まらない
- ~してほしい」「~したくない」等、目的を持って行動している
- 相手が誰であろうと、相手の解決すべき課題には勝手に干渉しない
- 縦の関係で支配する側は相手の課題に干渉している。
- 支配される側は相手に認められることが目的になるため本来の目的とはずれてしまう
このようなことが読み取れます。
アドラー心理学の本質は
人は本来いつからでも成長し、変化する力を持っている
人生は自分自身で変えられる
というところではないでしょうか。
子育てで押さえておきたいポイント
それでは、アドラー心理学の本質を踏まえたうえで、これらを子育てに生かしていくには何が大切でしょうか?
子どもを信頼すること
「いや、最初から信頼してるよー!」
「でも子どもには怖い思いをしてほしくないから」
「苦労はさせたくないしね~」
そんな声が聞こえてきそうです。
もちろん、親として子どものことを大切だからこそ過保護にしたり、怒ったりすることはありますよね。
「子どものことは全く信頼してない!」と言い切る人も少ないと思います。
ただ、ここでいう信頼とは
「子どもがどんな経験をしても、自分で考えて人生を切り開く力がある」
と信じることです。
命や法律を侵す危険がある行為や、精神的に大きく傷ついているときなど
しつけをしたり、守ってあげたり、指導をすることは必要です。
ただ、子ども同士のけんかや、夜遅くまで寝ない、お片づけをしないなど・・
最終的にこの結末を引き受けるのは子ども自身です。
いずれ自立していく子どもたち。
先輩ママ・パパの話を聞いていると、もしかするとあっという間かもしれませんね。
その時のためにも、今のうちから
「親に言われたから」「先生が言ってたから」だけではなく
自分で考えて解決していく経験を積ませてあげるのも、教育ではないでしょうか。
幼い子の場合は予測することが苦手なので、
「9時に寝る約束だけど、ずっとテレビ見てたら歯磨きできるかな?」
「スーパーで走ってた時、腰の曲がったおばあさんにぶつかりそうになってたよ。ぶつかったらどうなるかな。」
このように結末を予測する手伝いをしてあげましょう。
支援できる環境をつくること
課題の分離を改めて説明すると
子どもが何か問題に直面したときに解決するのは子ども自身の課題。
ということになります。
自分自身で考えて解決することで成功経験を積み、
「自分には能力があるんだ!」と勇気をもって何事にも取り組む意識が育ってくることがメリットです。
ここで注意してほしいことがあります!
それは、決して放任主義になれということではないということ。
子どもが勇気をもって挑戦できるのは、
いざというとき、ありのままを受け入れて応援してくれる存在がいるからこそ。
子どもが助けを求めているのに
「それはあなたの問題でしょ!」と手を差し伸べないことは、
子どもの健やかな成長にはつながりません。
ひとりで抱え込んで必要以上に悩んでしまったり、
失敗したときのことを恐れ、自分で行動することが苦手になるかもしれませんよね。
- 助けを求めてきたときには、気づきを促したり一緒に考えてみる
- 悩んだり傷ついた時でも、安心して過ごせる環境を整えておく
基本的には見守ってあげて、必要な時にはいつでも味方になるよ!
その思いを伝えていくことが大人にできることのひとつです♪
まとめ
- 人生は、気づいた時点から変えられる
- 干渉しすぎず、子ども自身の能力を信頼する。
大人は支援者の立場から見守っていこう
親が子どもを信じないのに、子どもが親を信じてくれるでしょうか。
ぜひ、今日から子どもたちの持つ、たくさんのチカラを発見していきましょう♪