子育てに限らず、あらゆる人間関係において共感することが大切!
これって、よく聞くお話じゃないでしょうか。
今回はアドラー心理学的な「共感」の意味についてご紹介したいと思います!
目次
本心じゃない共感をしていませんか?
他者とかかわるうえで最も重要なことは
他の人の目で見、他の人の耳で聞き、他の人の心で感じる事だ。アルフレッド・アドラー
共感を示すことが大事だと聞き、
子どもの意見に本当は共感できていないけど、
「そうだよねー!」
「わかるよ~」
と声をかけたことはありませんか?
アドラーは、『本心ではない「わかるよ」は共感にならない』としています。
共感は一体化することではない!
「本当は納得していないのに共感したふりをするのって嫌だなあ・・」
と私は思っていたんですが、私がやろうとしていたことは同一化でした。
同一化とは、相手の状態と一体化することです。
自分と子供は別の人間で、同じ事実を見ても違う見方をするのは当たり前のこと。
無理して相手の考え方を自分に当てはめようとする必要はありません。
相手と同じ立場に立ってみて、その人が
どう感じているのか?
どんなことが起こっているのか?
理解しようと務めるのが共感です。
「いや~全くその通りだね!」というよりは
「あなたはこういう風に思っているんだね?」と
理解しようとする態度が信頼関係を築くためには大切なんです。
一般的な話で例えるなら、
女性にとっては、男の子がロボット系のアニメを面白がったり、プラモデルに夢中になっていたりしても、「わかるわ~」と心から言える人は少数派かもしれません。
でも
「この変身するところがカッコイイと思うんだね」とか
「組み立てていくのが好きなんだ」とか
話を聞いて、相手の考えを理解しようとすることはできますよね。
同じ立場になって体験して、それを伝えていくと
新たな気づきや価値観に相手が気づくこともあります。
カウンセリングにおいても、この共感的理解は大切な考え方なんですよ♪
同情と共感も違う
一緒に喜んで、一緒に悲しみ、時には怒る。
相手と同じ感情になることが同情です。
同情することで、相手は
「自分のことを話せる居場所がある」
と思えることもあるので、それも素敵なことだと思いますが、過度な同情は自分自身も疲れてしまいますよね。
そして、アドラー心理学において重要な概念が「勇気づけ」です。
同情ばかりで、子供は次のステップへと挑戦する勇気を出せるでしょうか?
↓勇気付けに関してもっと知りたい方はこちら。
時には感情を分かち合い、時には落ち着いて相手の気持ちを理解してあげる。
自分や子どもにとってちょうどいいバランスを探してみてはいかがでしょうか。
共感のコツ~やっぱりバランスが大事~
否定をしない、相槌をしたり、相手の言葉を繰り返すなど・・
言葉としての共感のテクニックもいろいろありますが、
- 認知的共感
- 情動的共感
この2つのバランスをとることがオススメです。
認知的共感
家族の様子がいつもと違うときって、なんとなく気づきませんか?
「浮かない顔だけど学校で何かあったのかな・・声かけようかな」
「体調悪いのかな」
あなたも出来ているのではないでしょうか♪
相手の視点から見て、理解しようとしているからこそ、考えがめぐっていますよね。
これが認知的共感です。
情動的共感
元気がなさそうな子供に話を聞いてみると、学校での出来事を話してくれました。
それを聞いた母親まで心が痛くなり、
「それは嫌だったね。」と声をかけました。
こちらが情動的共感です。
感情移入、言い換えると相手と感情を共有しているので、前述した同情に近い部分もあるかもしれません。
この2つのバランスが崩れると、どんなに共感していても相手からの理解や信頼を得られない場合があります。
認知的共感>情動的共感だと
元気がないことには気づけるけど感情の共有の意思が低ければ、声をかけることなく終わるかもしれません。
逆に、認知的共感<情動的共感だと
相手の立場であまり考えられていないので、茶化しながら声をかけたり、他に兄弟がいる中で「何かあったの?大丈夫?」と声をかけるかもしれません。
これだと子どもは恥ずかしさなどから正直に話せない可能性がありますよね。
一般的な共感の概念は「情動的共感」ですが、
相手の変化に気づく洞察力も「共感力」のひとつなんですね~!
まとめ
- 相手の立場から理解しようと寄り添う態度こそが共感
- 「洞察力」と「寄り添う力」2つを共感力を鍛えてみよう
共感とは、他者に寄りそうときの技術であり、態度なのです。
『幸せになる勇気』岸見一郎・古賀史健
共感は技術なので、実は鍛えることができる力です。
ぜひ日常的に意識しながら共感力を育てていきましょう♪