アドラーは、私たち人間が人生において直面する課題をライフタスクと呼びました。
言い換えると人生での課題、とも言えます。
ライフタスクとはいったいどんなもので、
どのように向き合っていけばいいのでしょうか?
目次
3つのライフタスクがある
人生、生きていれば何かしらの解決すべき課題(ライフタスク)にぶつかりますよね。
その課題に共通するのは「人間関係」です。
アドラーはこの人生での課題(ライフタスク)を3つに分けました。
- 仕事のタスク
- 交友のタスク
- 愛のタスク
※現代アドラー心理学では「セルフ」と「スピリチュアル」を加えています。
仕事のタスク
役割や義務、責任が問われる生産活動です。
いわゆる職場もそうですが、社会全体、さらに広く世界、宇宙・・
アドラーはかなり広い視点で「仕事」をとらえていたようです。
この地球に所属する一員として、自分はどのように貢献していくかを見つけて行動していくことが課題です。
そのためのポイントは、他者との分業、つまり役割分担です。
会社や近所付き合いの中で、
「なんでこんな当たり前のことができないの?」
「常識的に考えたら〇〇でしょ、察してよ・・」
なんて思ったことはありませんか?
恥ずかしながら、私はあります!
でもそれって、あくまでもあなたの価値観を
「常識だから」とか「普通に考えて・・」と正当化しようとしているだけ。
あなたの主観であり、法律でも社内規則でもないのです。
みんながあなたと同じようにできて、同じ特性だったら苦手分野が来たときに全員共倒れです。会社だったら相当な危機ですよね!
家事が苦手なお父さんだけど、自分が苦手な虫退治や家電の配線はお手の物だったり、
忘れっぽくて職場に何本も傘が溜まってしまった職員さんのおかげで、突然の雨のとき、みんなが濡れずに帰れたり・・長所も短所も視点次第ですよね。
全員が不完全だからこそ、補いあえる仲間がいるという意識が持てると、会社の目標や地域行事など・・複数人で同じ目標に向かって行動しているときにもイライラが減りそうです♪
交友のタスク
これも友人関係だけではなく、すべての人との関わり合いを意味しているのだと考えられます。
ひとは一人では生きていけません。
朝ごはんのお米だけでも、生産者・運送するひとや取引する人、お店で取り扱ってくれる店員さんがいなければ自分の手元には届きません。お店に行くためには洋服と靴と車と・・食べるお箸も必要ですね。全部を自分で作るなんて無謀すぎます。(笑)
他者とどのように付き合って生きていくかは、避けては通れない課題です。
交友でのポイントは、いかに他人に「興味が持てるか」です。
人間誰しも相性はあるかと思いますが、どこに行っても人間関係がいまいち・・という場合には、他者への関心や共感が低い可能性があります。
話す勇気が出ない人の理由の一つが
「嫌われるかも・うざがられるかな」とか
「変なこと言っちゃったら引かれるかも」などです。
一見相手のことを考えているようですが・・実は自分の好感度を気にしているだけ。
相手が何が好きかな?
今、何をしているのかな?
こないだAさんとペットの話をしていたな・・
自分が相手に何を与えられるか?どんなことで貢献できそうか考えて行動していくことで、今の関係性よりもよくなるかもしれません。
ありがとう、と感謝を伝えるのもひとつの貢献ですよね♪
余談ですが、アメリカの研究では心配事の85%は起こらず、残りの15%のうち、約8割は予想より良い結果につながったそうです。
ほとんど取りこし苦労になるので、クヨクヨ考えるより、別のことに時間を使ったり、松岡修造さんのようにポジティブな思い込みのほうが人生得かもしれません!(笑)
愛のタスク
これは、カップルを基本とした、親子も含めた家族の関係を指します。
上の2つのタスクと比べると範囲が限定されており、交際、結婚、出産や子育てなどといかに向き合っていくかという課題です。
家族や恋人は、距離がとても近いからこそ、よりお互いを尊重しながら長期的な関係を育む必要があります。
ここでも必要になってくるのは自己中心な考えから抜け出すことです。
家庭を築くということは私だけではなく私たちの幸せを考えていくこと。
もう一つが決断。
アドラーは、愛することは決断することであるとし、
人は、無意識に愛することを恐れていると哲学者のフロムは語っています。
自分のことを好きかわからない子に告白するのって勇気がいりますよね。
でも・・・
「3組のAちゃんがお前のこと好きなんだってよ!」
そんな話を小耳に挟めば、告白するハードルはぐっと下がります。
愛されている・拒否されないという保証や見返りを無意識に求めるのが人間の性質です。
相手から与えられる前に、自分から愛する勇気を踏み出した人が、幸せへの一歩を踏み出せるというわけですね。
まとめ
- アドラー心理学では3つの人生の課題がある
- 地球・宇宙の一員であるという仕事のタスク
- 全ての対人関係にかかわる交友のタスク
- 人類の繁栄の基礎ともいえる、愛のタスク
カテゴリーとして3つに分類はされていますが、3つの分類についてアドラーは多くを語ってはいません。
社会を構成する一員であるという共同体感覚は3つのライフタスクを達成するうえでとても大切な考え方なので、是非参考にしてみてください♪