前回、自己信頼できる子供を育てる方法について考えてきました。
今回は他者信頼とはなにか、親子の間での他者信頼とは?どう取り組んでいけば親子が成長できるのかを一緒に考えていきましょう!
目次
他者信頼とは
信じる事には信用と信頼の2種類あります。
信用とは金融取引のようなものを指します。その人の実績や資産をみて貸す額を決めたり書類を書いて約束しますよね。それに対して信頼とは、あるがままの相手を無条件に信じる姿勢です。
アドラーは信頼こそが幸せに至る道だと定義します。
でもね、気になりますよね。知らない人を信頼できるのか?裏切られるかもしれない・・
人を信頼できない理由には2つあると考えられています。
競争原理が働く
これは、現代の教育からくるもので、知らない相手を見ると、すぐ比較して敵とみなしてしまう習慣が刷り込まれているんですね
アドラーは比較や競争ではなく、自分をみて、昨日の自分より、今日の自分に目を向けることをすすめます
裏切られるのがこわい
これは課題の分離で解決しましょう。裏切るか裏切らないかは相手の課題であると。コントロールできないことに目を向けず、自分のできることに目を向けるようすすめます
そうはいってもね・・と思いますよね。ただ、むやみやたらと信頼することをすすめているわけではないんですね。貴方が、誠意を尽くしたけど、相手が信頼できないと思えば信頼しない選択もありなんですよ。
裏切りを恐れ、人を信頼しないライフスタイルは孤立と、孤独しか生まないとアドラーは教えてくれるんですね。
親子の間で信頼を結ぶとは
子育て中の貴方が親子で信頼を結んでいくポイントをお伝えしますね。
- 子供をよくみてその子に共感する
- 子供と自分の課題を分離する
- 子供を身近な他人として横の関係を築く(尊敬)
アドラーは「共感とは、他者の目で見て、他者の耳で聞き、他者の心で感じること」
と言います。わかりやすいようでわからなかった共感がすとんと腑に落ちた瞬間でした。
私の子育て
私は、典型的な叱り、否定の教育を受けて育ちました。そんな私は親とは理解し合えないものだと思って成長しました。親から支配されている感じが抜けず、心理的距離をとるという感じでした。
そんな私が親になり、親から受けた教育を子供にしたくないと、子供の自由をできるだけ尊重しようとこころがけてきたつもりだったんですが、知らず知らず、自分の受けた同じようなことをしていました。不安と心配が原因です。
中学から高校かけて一番難しいころの息子に
貴方はやらないからできないのよ。頑張れば勉強できるのに・・
何度も勉強しなさい、そんなことしていたら進学も就職もうまくいかないわよを繰り返した後に言った言葉です。私は現実の子供の姿をみてるのではなく、自分の理想の子供像を押し付けていたようです。
その結果、ますます彼はやりません。成績は・・
私がその時しなければならなかったのは勉強に関心が持てない彼を受け入れることでした。そのうえでどうしていきたいのか、彼の進みたい方向を一緒に探っていくことだったかなと思います。
○○の求人に応募するの?それでいいの?一生の仕事なのよ
自分の価値観から子供の選んだ進路選択が不安で、安定した人生を歩いてほしいという思いから彼のみつけてきたものを否定していました。
その子の仕事に対する思いをゆっくり聞いて、子供の選択を信じることが必要だったなと思います。
そんな私の対応のまずさからついに子供の反逆を受けてしまいます。卒業直前の謹慎
ショックでした。。その当時は、ただただ悩みながら毎日をすごしてました。
子供からの信頼を無くして私は、その後彼のやっと決まった就職先を、後から夫にこっそり教えてもらいました。
「親が反対しても、俺はここにいくから!」と。
夫は子供に共感できていたようです。(-_-;)
まあ、自分の意志で進む勇気も必要ですよね・・と今では思います。
アドラー心理学を学んで子供とどうつきあっていくべきなのかを振り返ることができました。
同時に親の心配や不安の大きさが子供へどれだけ悪影響を与えるかを感じました。
過保護、過干渉の親子2代の子育てをしてしまいました。もしかしたら、他者信頼の前に私は不安が強い傾向があるということに気付いて自分を受け入れることが必要だったかもしれません。自己信頼からの他者信頼ですね。
まとめ
- 他者信頼とは 無条件で他者を信頼することで幸せにちかづく。
すべての人を信頼しなくてもよい。それも課題の分離で解決 - 親子の間で信頼を結ぶとは 共感、課題の分離、尊敬がポイント 親の心配しすぎに注意
いかがでしたか?今回は私にとって、痛い気付きとなりました。アドラー心理学の他者信頼は実践することで分かっていくものであると実感しました。慌てず、騒がず、じっくりと子供を信じて子育てしていきたいですね。ちなみに息子は今は立派なパパになりました。(笑)