相手を信じたいのに信じれなかったり、どうしても疑ってかかってしまう、そんなことってありますよね。
人を信頼するって、たとえ家族であったとしてもなかなか難しいものです。
アドラー心理学でも、この”信頼感”は人と接する上でなくてはならない感覚とされていますが、そもそも信頼って何なのでしょうか。また、信頼感を得るためにはどうすればいいのでしょうか。
いくつもの苦難をアドラー心理学とともに乗り越えてきた私が、信頼感についてご紹介します!!
きっとあなたも人間関係を良好にするヒントが見つかります!
目次
アドラー心理学における共同体感覚と信頼感
アドラー心理学では、最終的には人生の唯一の幸福である”共同体感覚”を得ることをゴールとしています。
この共同体感覚は、名前の通り”感覚”なので、なかなか掴みにくいものなのです。
この共同体感覚は、要素を4つに分けると理解がしやすくなります。
【唯一の幸福”共同体感覚”を構成する4つの要素】
①所属感ー私はここにいてもいいんだ
②貢献感ー私は人の役に立っているんだ
③信頼感ー周りを信頼できます
④自己受容感ー無理せずありのままの私を受け入れてる
そして信頼感は、あらゆる人間関係を良好にするために不可欠な感覚です。
確かに周りを信じられずに疑心暗鬼になっていたら、人間関係うまくいかなそうっていうのはなんとなく直感的にも思いますよね(笑)
では、信頼感とはいったいどんな感覚なのか、詳しく見ていきましょう♪
信頼感とは
信頼感とは、他者を仲間だと思える感覚、そしてその仲間を信頼することが出来る感覚の事です。
ここで大切なのは、仲間を”信頼する”ということです。
決して、信用ではありません。信頼なのです。
信頼と信用の違いを確認しておきましょう!
信頼
相手を無条件に信じること
信用
「~~してくれるなら、あなたを信じましょう」と、
条件付きで相手を信じること。
無条件に相手を信じるか、条件付きで相手を信じるかの違いなんですね。
信用と信頼、言葉の意味は理解できても、具体的な日常に落とし込もうとすると難しいものです。
一度、具体的な日常の場面を想像してみましょう♪
【Tさんの具体例】
Tさんにはもうじき中学受験を控えた息子がいます。
塾には週2回通っているもののTさんは息子が無事志望校に合格するか心配です。
ケース①息子を信用しているTさん
ちゃんと勉強しているかどうかを常に気にしている。
テストの点数が良かったら褒めて、悪かったら褒めない。ゲームばかりしているんじゃないかと疑ったり、ちゃんと勉強すれば合格できるんだからと言って勉強をさせる。
ケース②息子を信頼しているTさん
勉強していない時間があったとしても、息子は勉強しなければならないことは自分でもよくわかっているだろうと考え、そっとしておく時間を作る。
テストの出来次第で褒めたりしない。たとえ点数が悪くても成長の過程だと暖かく見守り、日々の頑張りを認める。
ケース1のTさんは、確かに息子を信用してはいます。
信用しているからこそ、ゲームをやめさせようとするし、点数が良かったら褒めようとします。
ですが、それは信頼ではありません。
息子からすれば、テストの点数は確かに良くなかったけど、毎日頑張ってるし、ゲームだって我慢してるんだから信じてよ!となります。
一方でケース2のTさんはどうでしょう。
テストの出来や、勉強しているかしていないかといった条件では評価せずに、日々の頑張りを評価し、無条件に息子を信じていますね。
息子の立場からすれば、親にはどちらの態度をとって欲しいかは一目瞭然のはずです。
これが信用と信頼の違いです!
信頼感を感じるために
これまで、信頼感とは、無条件で相手を信用することだと述べてきました。
では、信頼感はどうすれば感じることが出来るのでしょうか。
信頼感を感じるために大切なことは2つあります!
1.競争しない
信頼感を得るために、他人と比較したり競争することはやめましょう。
自分は、相手と競争しない。争わない。
相手もまた、他の誰かと競争させない。争わせない。
先程のTさんの例で言うと、息子に色々と言ってしまうのは”同じく中学受験を目指している目に見えない誰か”と無意識のうちに比べてしまっているからですよね。
無意識のうちに比べてしまっているからこそ、テストの出来で評価したり、もっと勉強しなさいと言ってしまうのです。
他人は他人で、自分は自分なのですから、自分のペースで、息子自身のペースを応援してあげれば良いのです。
2.とりあえず信頼してみる
最もシンプルで最も大切なことが、とりあえず自分から相手を信頼してみることです。
これを聞いて、いきなり無条件に信じろと言ったって、自分の期待通りにならなず裏切られるかもしれないじゃないか!と思うかもしれません。
ですが、こちらが無条件に相手を信頼した後、相手が(Tさんの例で言えば息子が)どういった行動をするか、裏切るかどうかは相手の課題であって、あなたの課題ではありません!
あなたがどうこうできる問題ではないのです!
それならば、あなたはあなたのできる範囲の中で、相手を信じてみれば良いのです。
初めから相手を疑ってかかるのではなく、信頼の気持ちを持って接する。これこそが、良好な関係を築く鉄則というわけです♪
まとめ
- 人間関係を良好にするには共同体感覚の一つである”信頼感”が大切
- 信用は条件付きで信じること、信頼は無条件に信じること
- 信頼感を感じるためには、競争しないこと、とりあえず信頼してみることが大切
相手を信頼しているつもりが、それはただの信用だったということはよくあることです。もちろんそれが間違いだというわけではありません。
ですが、より良好な人間関係を築いていくためには、信頼感を持って接することが大切です。
競争したりさせたりすることをやめて、自分から相手を信頼してみてください♪
きっと、今以上に良い関係を築けるはずです!