アドラー心理学と言えば著書『嫌われない勇気』!
2013年12月の発売にも関わらず、国内累計208万部、世界累計485万部の大ヒットで現在も売れ続けているロングセラーの著書です(2020年2月時点)。
日本だけならず、世界中で大ヒットとなりました。
いつか読もうと思ってたけどまだ読んでないな~・・
という人、いませんか??
実はこの本、アドラーの著書の翻訳ではなく、日本人ライターの古賀史健氏・哲学者の岸見一郎氏が書いたものなんですよ!なんだか誇らしいですよね。
この著書をきっかけに大活躍している共著者のひとり、岸見先生はどんな人で、アドラー心理学から何を伝えたかったのでしょうか?読んでいないあなたも読んでみたくなるはず!
目次
アドラー心理学の火付け役・岸見一郎氏とは?
岸見一郎(きしみ いちろう)氏は、京都生まれの京都育ち。
京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学。
ギリシャ哲学を研究しながら、1989年からアドラー心理学も研究するようになります。
現在は日本アドラー心理学認定カウンセラー・顧問を勤め、国内外で青年に対し精力的な講演やカウンセリング活動を行っているそうです。
きっかけは岸見氏自身が子育てを経験したことだというから驚きです!
奥様が復職し、研究者で比較的時間に融通の利いた彼が育児をすることも多くありました。おむつ替えやごはんを食べてもらうなどの技術的なことはできるものの、やはり全部はうまくいきません。
時間どおりに保育園に行ってくれない、言う事を聞いてくれない・・
そんなときに知人から勧められたのがアドラー心理学です。
アドラー心理学を元に『叱らない・ほめない・見守る』子育てを実践したところ、当時3歳の息子との関係が大きく改善したそうです!
「嫌われる勇気」大ヒットの3つの理由
アドラー関連の一般書や翻訳書は以前から出版されていましたが、ブームのきっかけはやはり、2013年『嫌われる勇気―自己啓発の源流「アドラー」の教え』(岸見一郎・古賀史健、ダイヤモンド社)です。
この著書が世界的に愛された理由は
- 哲人と青年の対話形式で読みやすい
- 世界中で誰からも長く読まれる工夫
- 現代人が求めていた心理学だった
この3つ!つまり誰にでも読みやすい本なんです。
まず、本書は論を展開する哲人と、論破したい青年の対話形式で書かれています。
自己啓発本や、著者の考えがツラツラと書かれている本だと眠くなる・・
そんな私のような人でも小説のような感覚で読むことができます!!
哲学者としての知見やカウンセラーの経験を生かし、現代人にも合うように噛み砕いた表現が使われているのも魅力のひとつ。
読者が抱きがちな疑問や反論は青年が代わりに言ってくれるので、私たちは共感しながら読み進めることができ、読み終わる頃には自然とアドラー心理学が頭に入ってきます。
そして本自体にも世界中で長年愛されるための工夫が。
「日本」等の固有名詞は使わず、使用している挿絵にもスマホやPCなどはありません。
その代わりに、長年使われるであろう万年筆や原稿用紙が描かれています。
これによって「日本の話」「日本人が書いたもの」という先入観を感じることなく世界中で読まれるようになりました。韓国でも日本の著書が51週1位という建国以来初めての結果を出しました。
そんなどこまでも親切な本書によって「嫌われる勇気」つまり
嫌われることを恐れるな!というアドラー心理学が世界中に広まりました。
現代の日本人は特に、「察する」「空気読めない」などの言葉が当たり前に使われるように、人に合わせる方が良い風潮があると思います。
そんな空気に疲れた人達に必要だった考え方が『嫌われる勇気』だったのかもしれません。
アドラー心理学の誤解・注意
著書をきっかけに、世界中で有名になったアドラー心理学。でも誤解している人もいると岸見氏は警鐘を鳴らします。
アドラー式子育てを実践すると、場合によっては数カ月で見違えるような変化がある時も。しかし、それを誤った視点で切り取り、あたかも子どもを操作できる心理学であるかのような書き方をした「アドラー子育て書」があるのでみなさんも注意です!
アドラー心理学の特徴は、課題の分離です。宿題をしない子どもがいても、それは子ども自身の課題なので本人にしか解決できません。親の課題は「宿題をしない子を気にしてしまう」こと。相手はコントロールできない事を知り、自力で解決できると信じる事が親の出来ることです。
まとめ
- 岸見氏とアドラー心理学の出会いは子育てだった
- 『嫌われる勇気』は読みやすさと現代社会にフィットする考え方で大人気に!
- アドラー式育児は子どもが思い通りになる育児ではなく、自立へ導く育児
子どもの問題には心配になって、干渉してしまいがちですよね。
でも案外子ども自身に任せてみると、自分で考えて行動しようとします。
もしあなたが必要以上にやること・叱る事があり疲れ切ってしまう・・という現状があるなら、アドラー心理学を取り入れることで、少しずつ変わっていくかもしれませんよ♪