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アドラー心理学

子供が承認欲求に囚われないために大事な接し方4つ│アドラー心理学に学ぶ子育て

SNSの「いいね」が気になり、1日に何度も確認してしまう。

「インスタ映え」を気にしすぎて、何をやっても楽しめない。

現代社会は、私達の承認欲求をかきたてる仕組みであふれています。

でも、それに振り回されて、いつも落ち着かなかったり、かえって不幸な気分になっている人もたくさんいます。

今回は、アドラー心理学における承認欲求の位置づけと、子供が承認欲求に囚われないようにするために、子育てにおいて注意すべき点についてご紹介します。

目次

承認欲求とは他人から認められたいという欲求

承認欲求とは、アメリカの心理学者アブラハム・マズローが定義している5つある人間の基本的な欲求の1つで、簡単に言うと、他人から、褒められたい、認められたい、ひとりの人間として認知されたい、といった欲求のことです。

良い承認欲求と悪い承認欲求

この承認欲求ですが、良い方向に作用すれば、成果をあげるための強力な動機づけとなります。

でも、最近の日本の若者、特に、1990年代頃からの「ほめる子育て」により育てられた子どもたちが社会に出るようになるようにつれ、様々な弊害が見られるようになってきました。

「まじめで優秀な学生が期待されるとプレッシャーに押しつぶされる」
「新入社員に注意するとすぐにキレたり、会社を休む、あるいは会社を辞めてしまったりする」

これらは、他人からの承認を過度に求めたり、承認が得られなければ行動できないと言った、悪い承認欲求に基く、行動スタイルが原因と言われています。

アドラー心理学における承認欲求の位置づけ

アドラー心理学では、他者からの承認を求め、他者からの評価ばかりを気にしていると、最終的には他者の人生を生きることになる、として他者から承認を求めることを否定します。

他者の期待を満たすように生きることは、自分の人生を他人任せにすることに繋がることから、自分に嘘をつき、周囲の人々にも嘘をつき続けている生き方であり、他者から嫌われる勇気を持った時に初めて自分の生き方を貫くことができる(=自由になれる)と教えています。

承認欲求に囚われた人間が陥る5つの問題行動

さらにアドラーは、承認欲求にとらわれた人間が陥いる問題行動を、そこに隠された「目的」に注目し、5段階に分けています。

  1. 称賛の欲求
  2. 注目喚起
  3. 権力争い
  4. 復讐
  5. 無能の証明

称賛の欲求

親や先生に向けて「いい子」を演じる段階で、やる気や従順さをアピールする。

「これって問題?」と思われるかもしれませんが、目的はあくまでも「称賛されること」であり、称賛されないと不満を抱き、意欲を失ってしまいます。

「ほめてくれる人がいなければ、適切な行動をしない」というスタンスです。

注目喚起

第1段階で、ほめられなければどうするか。
次の段階は、「とにかく目立ってやろう」、「注目を集めてやろう」というものです。

子どもであれば、勉強や運動で優秀な成績を収めることが出来ない子供が、別の手段、例えば、学校のルールを破ったり、わざと忘れ物を繰り返したり、泣いたりと「できない子」を演じることで注目を集める段階です。

権力争い

ほめられることも、目立つこともできない場合、次は、誰にも従わず、挑発を繰り返し、戦いを挑むようになる段階に移行します。

親や教師に反抗する、非行に走る。そこまで至らなくても、勉強や習い事を無断でサボるといったことが多くなります。

復讐

権力争いに挑んだのに、勝利を得られず、承認欲求を満たせなかった。

次は、自分を認めてくれなかった人、愛してくれなかった人に復讐する段階に入ります。

この段階では、自傷行為や、引きこもりまでエスカレートしてしまいます。

無能の証明

最後の段階は、「これ以上期待しないでくれ」という態度を示す段階になります。

無力感から、人生に絶望し、自分のことを心底嫌いになり、自分にはなにも解決できないと信じ込むようになる。

完全に勇気をくじかれてしまった状態と言えます。

一般的に、4段階、第5段階へ至ってしまうと、当事者同士で解決することは難しいと言われていますので、その様な状態にある方は、悩まず、直ぐに信頼できる専門家に対応を相談してください

子供との接し方で注意すべき4つのこと

では、子供が、承認欲求に囚われない様にするために、どのような点に注意して接すれば良いのでしょうか。注意すべきことを4つ見て行きましょう。

安易にほめる

「すごいね!」
「すばらしいよ!」

子供を安易にほめていませんか?

さしたる努力もないのに安易にほめられると努力を知らない子どもになってしまいます。

子供の本当の努力を正当に評価し、本当にがんばったときにだけ、理由を添えて褒めてあげるようにしましょう。

条件づける

「お手伝いしてくれて、うれしい!」
「運動ができて、えらいね」

条件をつけたほめ方をしていませんか。子供が常に承認欲求に囚われるきっかけを作ってしまいます。

子供の頑張りを認め、できても、できなくても子供への愛情は変わらないことを示しましょう。

結果のみを対象にする

「100点取れて、すごいね!」
「かけっこで1番になって、かっこよかったよ」

結果のみをほめると、努力せずとも成果の出せる、簡単なことしかやらなくなる傾向に繋がり、将来、物事に取り組む態度が委縮しがちになると言われています。

子供が、その結果に至るまでの過程に注目しましょう。
結果はどうあれ、物事に真剣に挑戦する重要さを教えることだ大切です。

競争心をたきつける

「お兄ちゃんはできてないのに、(あなたは)できたね!」
「お友達に負けないで、えらかったね」

他人との比較にばかり目を取られるばかりか、他人へのねたみや敵対心が生まれてしまいます。また、その時点で優位であったとしても、いつ追い越されるのではとビクビクし、委縮し勝ちになってしまいます。

他人と比べるのではなく、自身が、できるようになったことに焦点を当てるように接してください。

まとめ

今回の記事では、以下の点についてご紹介しました。

  • 承認欲求とは、他人から認められたいという欲求です。
  • 承認欲求には良い承認欲求と悪い承認欲求があります。
  • アドラー心理学は、承認欲求にかられ、他人の目ばかりを気にしている生き方を否定し、嫌われる勇気をもつこと、それにより人間は自由になれると主張しています。
  • 更に、アドラー心理学では、悪い承認欲求が引き起こす、5つの問題を定義しています。
  • 子供が承認欲求に囚われないようにするためには、安易にほめたり、条件づけをしたり、結果のみに着目したり、競争心をたきつけるような接し方を避けるべきです。

是非、参考にしてみてください。