アドラー心理学には共同体感覚という概念があります。
アドラーはこの共同体感覚が、幸せの最終目標だと考えます。
共同体感覚を親子で実践するためのヒントをさがしていきましょう。
目次
共同体感覚とは
『嫌われる勇気』という本では、共同体感覚は他者を仲間だとみなし、そこに自分の居場所があると感じられることと定義します。
うーん。なんだがわからないなあ。
でも、もう少し易しく説明してくれる本をみつけました。
引用:Amazon
自分だけのためでなくて自分が所属している共同体全体が良くなるよう行動しようね、という価値観が分かります。
これだと少しわかりやすくなりましたね。
共同体は私とあなたという小さい単位から、家族、地域、学校、会社、日本、地球、宇宙まで広がるようです。
そしてこの感覚をそれぞれがもつことが、幸せになることだと説いています。
うーん壮大!
ただ、あまりに大きくするとわからなくなるので、子育て中のあなたには、子供と私、家族
あたりから考えていきましょう。
共同体感覚を身に着けるためには3要素があると言われます。
- 私は、私のことが好きだ。(自己信頼)
- 人々は信頼できる(他者信頼)
- 私は、役に立てる人間だ(所属感)
野田俊作著「性格は変えられる」にあるのですが、一つずつ見ていきましょう。
自己信頼とは
自分が好き、自分はできる、自分に自信をもつ。
「わー!ここ一番無理!劣等感のかたまりのような私」と感じたあなた。
一緒です。難しいよね。
でも、お母さんが劣等感や罪悪感を持っていると、自信のある子は育たないという本をみつけました。この本です。実例が沢山ありとても読みやすい本です。
引用:Amazon
「えー」となるけど、刺さりました。
考えてみればそうですよね。親子は一番身近な存在、共同体なのですから。
じゃ、どうしたらいいの?
「私はできる!」と毎日自分におまじないをかけるの?
私は自信ないけど、「貴方は私ではないから大丈夫!」と子供に言うの?
いえいえ、そんなことしなくていいんです。
まず、始めるのはありのままの自分を認めること(自己受容)です。
- 私はかたづけが苦手
- 私はすぐ子供を怒ってしまう
- 私は子供と遊ぶのが苦手
でも
- 子供が病気の時は寝ずに看病した
- 子供は私を好きだと言ってくれる
- 子供が道に列を作る蟻に夢中な時、一緒に時間を忘れてみた
自分の苦手な所と同じ分量だけ自分の良いところをみつけませんか?
頑張っている自分をほめてあげましょう!
そしてママを大好きな子供さんを抱きしめてあげてください!
毎日繰り返してい行くことで私はこれでいいと思えるようになりましょう!
他者信頼とは
人を信頼できる仲間と認めることができること
まずは、自分の子供を身近な他人、仲間として尊重することかなと思います
私は子供を守るべきもの、親としての責任で育てるものと思ってました。
一生懸命やってきたけど、アドラーの心理学を学ぶにつれ、過保護で、過干渉、指示的な所があったなあ、と当時を振り返ります。あ、また始まった罪悪感(笑)
昔、ママ友が、私に話してくれたことがあります。
彼女は、障害のある子供さんをよーく観察していて、
その子のペースでその子のできる事を一緒に喜びながら育てている人でした。
アドラー心理学の他者信頼とは、まさにこんな感じですね。
母親という役割をしている自分が、身近な他人である我が子がどんな特性をもっているかを観察し、子供のペースに合わせて、一緒に育っていく。
そこに信頼が生まれるのかなと思います。
言葉で表現すると、冷たく感じられるかもしれないですが、子供との距離が近すぎるということが親子関係を複雑にしているような気がします。
所属感とは
私は役に立てる人間だということ
自己信頼と他者信頼がスムーズにできるようになると、自然となにか人の役に立ちたいと思うようになりますよね。
我が子を応援しているママのために、ママの喜ぶ顔を見たいという子供さんがお手伝いをする、それをママが感謝する。よい循環がママと子供から広がっていく気がします。
まとめ
- 共同体感覚が人類の究極の幸せである。そして要素として自己信頼、他者信頼、所属感がある。
- 自己信頼はまず自己受容できること。自分の弱さと強さを同じように認めよう。
- 他者信頼は我が子を身近な他人として尊重し、特性を見て、その子のペースで育てよう
- 所属感は自己信頼と他者信頼の先にあるもの、循環させていくことで幸せを広げよう
いかがでしたか?あるがままの自分を許すことや、子供は自分とは違う人間であるということを意識するための工夫を紹介してみました。
アドラー心理学は実践の心理学です。日々を積み重ねて、じっくり取り組んでいきましょう!