アドラーはunsachlich(ウンザッハリッヒ)=「事実に即さない・現実との接点を失った」生き方を問題視し、反対の「現実的・即事的」に生きるべきだとしました。
哲学者の岸見一郎氏は、これを「地に足がついた」「今ここを生きる」生き方と表現しています。
ちょっと難しく感じてしまいますが、今を生きるとはどういう事なのでしょうか?
目次
過去を手放し今を生きる
私たちの時間軸には、過去・現在・未来がありますね。
過去があったからこそ今の自分があるわけですが、過去に縛られている人はいませんか?
例えば私は、学生の頃に父親や友人だった子に言われて傷ついた出来事があります。
そのせいで、家族やまわりのひとと心から深く関われないんだ・・と考えました。
この出来事をアドラー心理学の目的論で考えると、また違った見方をすることができます。
目的論
「過去に人からの言葉に傷ついたから人と深い関係になれないんだね」
これは過去に原因を求める原因論の考え方です。
これ自体が間違っているわけではないのですが、これだけじゃただの解説で終了・・
過去は操作できないので、「じゃあどうしようもないんだ」と
余計傷ついてしまい、次に進む勇気を奪ってしまうこともあるのです。
しかも、誰だって言葉に傷ついた過去はあるはずです。
それでも沢山の人と仲良く過ごす人もいれば、精神的に病んでしまう人やまわりを徹底的に拒絶してしまう人まで様々いますよね。
目的論は、人間の行動にはすべて目的があると考えます。
過去の出来事で人を仲良くなれないのではなく、
仲良くしたくないから深くかかわろうとしないという考え方ができます。
目的論についてはコチラ↓
メリットがあるからその行動を選んでいる
「あなたは仲良くしたくないから、深くかかわろうとしないんですよ。」
そんなこと言われても納得できませんよね!(笑)
仲良くしたくて悩んでいるんだから!
しかし、人間はまったくメリットがないと思える行動はしません。
私の例でいう「仲良くしない」ことを目的にするメリットは
- 傷つくリスクを避けられる
- 性格を考えながら、頭をつかって話すしんどさを避けられる
- 付き合いが減り、自分だけの時間が増える
などが考えられます。
子どものころから食環境が良くないせいで太ってしまった!
過保護な母親で家事や料理は教えてくれなくて、今困っている・・なども
その現状にメリットを感じている自分が隠れています。
是非探してみてください。
そのメリットは勘違いかも
望んでいる理想の自分と現状が異なって悩んでいる場合は
現状にメリットを感じている可能性がある、とわかりました。
だったら、現状のメリットを見直す必要がありそうですよね。
前述の仲良くしないメリットで言えば
→四六時中人の言葉に傷ついていたのかな?そんなことはなく、うれしい事や楽しいこともある。リスクより得られる喜びのほうが多いかも・性格を考えながら、頭をつかって話すしんどさを避けられる
→家族と話すとき「頭つかうのしんどい~」とか思わないよな。小さい子相手でも思わない。正解を求めすぎず、気楽に話せば普通に楽しめるんじゃないかな?・付き合いが減り、自分だけの時間が増える
→1人の時間がめっちゃ楽しい!というわけではなくて、これも気を遣うのがしんどいだけかも。まず、気を遣わなきゃいけないとかハードル上げすぎだったのかも・・
これはあくまでも例えで、ひとそれぞれ思うことがあるかと思います。
メリットだと思っていたのが、よく考えてみると勘違いだったり、実は不要な考えだったと気づけると、過去を手放していけるでしょう。
加えて、自分はどうしたいのか?新たに目的を持って、今を生きていきましょう。
結婚・子育て・学業・仕事・・・・
過ぎたことを悔やむより、今からどう過ごしていくかです。
過去を見ている間にも有限である時間は減っていくばかりですよ。もったいない!
未来への不安を手放し今を生きる
あの子は将来苦労しないだろうか?
金銭的に、このままの稼ぎで大丈夫かな。
今日のプレゼン、失敗したらどうしよう・・
すぐ先の未来から、数十年先のことまで不安になる事ってありますよね。
今の連続が未来になる
将来の不安は、多くの人が持つものではありますが、未来というのはまだ存在していないものです。
そして、今その時の積み重ねが未来をつくっていきます。
まだ存在しない将来に怯えても意味のないことで、今この瞬間を全力で生きる事が幸せにつながっていきます。
過去に囚われないことにもつがなりますが、今できる事に精一杯取り組んでいれば、後悔なんて言葉はあまり出なくなっていきますよ。
失敗したら反省して、次に生かせばいいだけなんです。
取り返しのつかない事って、そうそう起きません!
まとめ
- 過去に原因を求めても解決しない
- 目的があって、その行動を選んでいる
- その目的に持つメリットは本当にメリットか見直してみよう
- 未来は今の連続。今日を精一杯生きよう
今を生きるというのがどういうことなのか、なんとなく掴めましたか?
過去を振り返ったり未来について考えるのが必要な時もあるでしょう。
ただ、そこに振り回されないように過ごしていきましょう!