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アドラー心理学

アドラー心理学を活かした子育ての3つの事例│小学生の場合

アメリカの発達心理学者のエリク・H・エリクソンは、「ライフサイクル」論の中で、6歳から12歳を「学童期」と定義していて、この時期は、勤勉さを獲得するのが発達の目標で、それを脅かすもの(危機)は、劣等感であるとしています。

この時期は、日本では、ちょうど小学生にあたります。

この時期の過ごし方は、社会に出てからの勤勉な生き方の基盤を作りますが、一方で、「自分はできない」といった劣等感を感じてしまうと、これを払しょくするのに時間がかかってしまいます。

でも、幼稚園を卒業したてで、まだ、幼児に近い1年生(6歳)から、体格も大きくなった6年生(12歳)まで、小学校には、とても幅広い年齢層の子供達が集まっていますよね。

当然、起こりうる事例によって、アプローチを変える必要があります。

今回の記事では、小学生の子供が直面する3つの事例に対し、アドラー心理学の教えを活かしたアプローチをご紹介します。

目次

勉強が苦手な子供に対するアプローチ

幼稚園から、小学生に入ると本格的な勉強が始まりますよね。

そうすると、どうしても、勉強の得意な子と、不得意な子の差が目立ってきます。

でも、子供の成長度合いは、千差万別で、今できなくても、将来できるようになるケースはたくさんあります。

小さいうちから勉強が苦手であるという「劣等感」(=学童期における危機)を持たないようにすることが大事です。

では、テストの点がよくなくて、勉強が苦手な子どもに対し、どんなアプローチをするべきでしょうか?

子供に奮起をうながそうとして、

「他の子はみんな100点だってよ」とか、

「どうしてできないの」といった言葉をかえる。

親の気持ちもわかりますが、まだ小学校くらいでは、そういった親の感情をくみ取ることができず、ただただ他の子と比較されたことに傷つき、劣等感を感じてしまうだけです。

このような時、アドラー心理学では、「次にどうすれば良いか考えよう」と声をかけるのが良いと教えています。

テストができなかった事実を受け入れつつ、次に向かってどのようにして行くべきなのかを冷静に話し合い、考えるようにする。

「勇気づけ」のアプローチですね。

「勇気づけ」とは、対等な関係(=横の関係)から、ほめるのでもなく、叱るのでもなく、援助を行うアプローチです。

こうすることで、子供は、積極的な気持ちを失わずに勉強に臨めるようになります。

また、親が冷静な対応を取ることで、勉強ができる/できないにかかわらず受け入れてくれたと感じ、「自己受容」(=自分にはできないこともあるが、そういう点も含めて自分を受け入れる姿勢)ができる様になります。

子供が新しいことにチャレンジする時のアプローチ

学校生活になれてきて、中学年(3-4年生)に差し掛かるころから、子供は、自分の関心に応じて、いろんなことにチャレンジを始めます。

野球が好きな子、サッカーが好きな子。

ピアノが好きな子、ギターが好きな子。

子供達の興味は、千差万別です。

子供が、なにか新しいことにチャレンジするとき、親はどのようにアプローチすべきでしょうか?

アドラー心理学では、「課題の分離」を行います。

「課題の分離」とは、「これは誰の課題なのか」という視点から、自分の課題と他者との課題とを分離して行くことです。

新しいチャレンジは、まさに子供の課題。親が介入してはいけません。

これにより、子供は自ら考えたやり方でチャレンジをすることで達成感を覚え、それが自信となり、更に意欲的に物事にチャレンジするようになります。

子供が相談してきたときでも「課題の分離」を行い、話は聞いてあげつつも、それは子供が解決する問題として、子供が考える習慣をつけることが必要ですね。

子供が人間関係で悩んでいる場合のアプローチ

小学校も高学年(5-6年生)に差し掛かると、子供同士の人間関係に悩んだりするケースがあります。

子供が落ち込んでいると、何があったのか詳しく知りたいという気持ちになりますよね。

でも、話したがらない子供から無理やり聞き出すのは得策ではありません。

あくまでも「課題の分離」を守り、それは子供が解決すべき問題として、必要以上の介入は避けるべきでしょう。

でも、子供が話しかけてきたら「なにかあったの?」と積極的に声をかけて、お子さんが話し始めたら、共感をもって聞いてあげましょう。

アドラー心理学では、他者との対話で大事なことは、相手の目線で、相手と同じように見て、相手と同じように聞いて、相手と同じように感じ、信頼関係を築くことと教えています。

アドラー心理学では、これを「共感的理解」と呼びます。

これも横の関係に基づく「勇気づけ」アプローチととらえることも可能です。

それら共感的理解をしてあげることで、子供は「自己受容」をすることができ、目の前の問題に立ち向かってゆく勇気が持てるのです。

まとめ

今回の記事では、小学生が直面する3つの事例に対する、アドラー心理学の教えを活かしたアプローチをご紹介しました。

もちろん、ここにあげるケースが全ての事例ではありませんが、小学生の子供には、以下のアプローチが重要であると考えられます。

  • まずは、横の関係に基く「勇気づけ」アプローチを取り、ほめるのでもなく、叱るのでもない援助を行う。そうすることで、子供は「自己受容」できるようになる。
  • また、「課題の分離」を行うことで、子供が、自分の抱える問題を、自分で解決できるように導くことも必要。
  • そして、ある程度の年齢に達したら、子供に対し「共感的理解」を示すことで、子供が、目の前の問題に自ら立ち向かう勇気を養うことが大事。

小学生のお子さんが悩んでいたら、是非、アドラー心理学のアプローチを試してみてください。

きっと、お子さんが、社会に出て生活するための勤勉性を養うことができますよ。