あなたには承認欲求がありますか?
承認欲求とは、「誰かに認められたい」という気持ちです。
アドラー心理学では、この承認欲求を否定します。
「誰かに認められたい」「誰か期待に応えたい」
という目的で行動することを
「他者の期待を満たすために生きる」と考えます。
他者の期待を満たすために生きるということは、他者に支配されているのと同じ。
この「承認欲求を否定する」ことは、子供にもできるのでしょうか?
目次
子供の承認欲求は否定できるの!?
![](http://happyadler.com/wp-content/uploads/2020/08/desire_for_recognition04-300x200.jpg)
承認欲求を否定して、「自分の人生を生きる」。
そうすれば幸せになれる!
頭では理解できますが…
そうは言っても、やっぱり人から「認められる」って、嬉しいですよね?
ほとんどの人は、けなされるより褒められたいですよね?
承認されるのは快感!?
SNSで「いいね!」がついたら嬉しい!
もっともっと認めてもらいたい!
そのうち、「いいね!」の数を増やす事が目的になってしまい、どんどんエスカレートしていく…。
…というのは、現代の承認欲求における良くない例の代表です。
大人でも、相手が見知らぬ人であっても認められるのは嬉しいのです。
子供なら、より褒められたら嬉しいはず!
そして、「もっと褒められたい!」と思うのは当然なのです。
そもそも欲求というものは、簡単に切り捨てられるようなものではありません。
欲求は、生きている限り生理的・精神的に、とても自然に起こってくるものだからです。
褒められたら嬉しいですし、
承認されることで満たされるという点は、大人も子供も同じです。
承認されると、自分に価値があるように感じるので、満たされます。
満たされる・嬉しいという感情は快感なので、もっとたくさん欲しくなるし、
さらには慣れると物足りなくなるので、
「もっと褒められたい!」「もっと満たされたい!」
とエスカレートしてしまうのです。
承認されるとやる気がでる!?
褒められると、「もっと褒められたい」とモチベーションが高まるので、
良い方向へ進む場合があります。
しかし、それには落とし穴が!
- ご褒美がないとやる気が出ない
- 何よりも褒められる事が優先されてしまう
などです。
褒めるの逆、「叱る」もそうです。
- 叱られないなら悪い事をしてしまう
- その場で怒られない事が重要で、嘘を重ねてしまう
などです。
また、褒める・叱るという行為には上下関係が生まれます。
アドラー心理学では、親子であっても対等な関係であることが前提です。
そのため、「褒めない・叱らない」が推奨されている訳ですね。
褒められない子供は幸せになれない!?
しかし、褒められないで育った子供は幸せでしょうか?
例えば、テストで90点だったとき。
- 高得点だと褒める
- あと10点だったのに!と悔しがる
- このくらい当たり前、と煽る
- なんで100点じゃないの!と怒る
- まったく興味がない
自分が子供だったら、親がどんな反応をしてくれたら嬉しいですか?
私なら、⑤に近づくほど嬉しくないです。
「何をやっても無関心」というのは放任です。
「頑張っても褒めてもらえない」は、それと似ています。
常に褒めてもらえない子供が、
いつか「自分は褒めてもらえないんだ」という事を受け入れたとき、
褒められること=頑張ること
を諦めてしまうのではないでしょうか。
「どんなに頑張っても無駄」と、初めからやる気を無くしたり。
素晴らしい長所があるのに「どうせ自分なんて…」と自己肯定感が低くなったり。
他の誰かに褒められた時でも、満足できなかったり。
それは、本当は幸せなのに、「幸せを感じられない」という事だと思いませんか?
褒めないで子供の承認欲求を満たすには?
子供の「褒められたい」という承認欲求は、ごく普通の事です。
- 親に認めて欲しい
- 先生から褒められたい
- 友達から「スゴイ」って言われたい
…などなど。
それはもう、キリが無いくらい承認欲求があります!!
子供の承認欲求の存在そのものを否定する事はできません。
しかし、アドラー式子育てでは、「褒める」は、すすめていないのです。
褒める変わりに、
「あなたが嬉しいとママも嬉しい」と一緒に喜んだりするでしょう。
これは、親に褒めてもらえるから行動するのではなく、
子供自身が嬉しいから行動できるように促しているのです。
本来、褒めたくなるところを「共感」に置き換えているのですね。
そうする事で、ある程度の承認欲求を満たしつつ、対等な関係を築けるのだと思います。
誰かに認められるために行動するのではなく、自分自身のために行動する。
それが、自分の人生を生きるという事なのですね。
まとめ
![](http://happyadler.com/wp-content/uploads/2020/08/desire_for_recognition02-300x225.jpg)
- 褒められたいと思う気持ちは自然なもの
- 「褒め」は子供のモチベーションになるが、対等な関係を築けない
- 褒められないのは無関心と似ている
- 褒める代わりに共感しよう
子供には、他者に支配された人生を送ってほしくないと思います。
自分と子供の承認欲求と、うまく付き合っていきたいですね。