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アドラー心理学

アドラー心理学とは?創始者が残した5つの考えをわかりやすく解説

書籍「嫌われる勇気」が日本で話題となったことから、心理学が私たちの身近なものになり、人間関係を円滑にしようと試みる人が増えました。

アドラー心理学は、現代のSNS社会に非常に適した生き方を教えてくれるため、人生に悩む多くの人が実践しています。
今回はこの「アドラー心理学」について解説していきたいと思います。

目次

アドラー心理学とは

19世紀、オーストリアのウイーン郊外ルドルフスハイムで、ハンガリー系ユダヤ人の父とチェコスロバキア系ユダヤ人の母との間に生まれたアルフレッド・アドラー。
精神科医であり心理学者だった彼がアドラー心理学の創始者です。

かつてはジークムンド・フロイトやカール・グスタフ・ユングと並んで現代のパーソナリティ理論や心理療法を確立した1人でしたが、考え方の違いから決別し、まったく新しい理論に基づく「個人心理学」を創始。

これは、「人は目的のもと生きている」「幸せになるには勇気を持つこと」というテーマから成り立っています。

仕事・恋愛・人間関係など、アドラー心理学は様々のことに応用できますが、その本質は「幸せになるには?」という、誰もが願う自己表現の欲求を叶えること。
そのため、性別や年代を問わず多くの人の注目を集めたのです。

5つの考え

フロイトは人間の本能が制御不能なものとして扱ったのに対して、アドラーの考え方は全く違って、「人間は決断の自由を持っている」と言っています。そんなアルフレッド・アドラーが残した主な考え方をご紹介します。

①目的論

人が行動を起こすとき、本人に自覚があるかどうかにかかわらず、必ず目的がある、自らの目的のために行動を選択することができるという、主体的な考え方です。

例えば、「母親の関心を引くという目的ために、暗闇という状況を利用して、恐怖という感情を作り出している」と考えるのです。ほかにも「怒る」や「泣く」などの行為も、「相手を支配するため」など目的のために感情を自ら作り出している、ということです。

私たちはどのような目的なのかによって思考や行動が変わってきます。

②課題の分離

相手の課題と自分の課題を分けるということです。
例えば、「仕事ができないから相手に嫌われる」という課題がある場合、「仕事ができない」のはあなたの課題ですが「相手があなたを嫌いだと思う」のは相手の課題です。

また、あなたの課題はあなたの努力で変えることができますが、相手の課題はいくらあなたが努力しても変えることは不可能なのです。なので、相手の課題に対してあなたは必要以上に気にする必要はないのです。

③劣等感

劣等感は、自分の理想に達していないと感じることです。
私たちは劣等感を抱くことで、今の自分では理想の自分に達していないと感じます。それによって自分を理想の自分に近づけ、よりよく生きるための刺激にすることができるのです。

なので、感じた劣等感を理想が現実化するためにどうやって活用するのかということが大切なのです。

あなたが感じている劣等感を、「バネにして活かし」「誰かのためになることにつなげる」意識をすれば、やがて「これがあったから成長できた」という喜びになるのです。

④共同体感覚

自分の与えられた状況や環境に、どのくらい自分を関係させることができるのかという能力です。

私たちは一人では生きていけません。パソコンやスマホ、水道や電気、洋服など、一つとっても多くの人が関わっています。なので、共同体の一部である私たちは、周りの仲間を感じて関心を持つことがとても大切なのです。

また、この感覚を抱くことが幸せを感じることにも繋がります。

⑤ライフスタイル

考え方や行動のクセのことをいいます。
性格を変えようと思って頑張ってもなかなか難しいですが、考えや行動を変えることはそこまで難しくありません。

例えば、「引っ込み思案で人と話すのが苦手」だと思っている人でも、緊張しても相手と話せるように、人が興味を持つ知識を増やすようにしたり、相手の話に興味を持ってしっかり聞くようにしたりすれば、「人と話すのが苦手だ」ということも感じなくなるのです。

まとめ

アドラー心理学の5つの考え

  • 目的論
  • 課題の分離
  • 劣等感
  • 共同体感覚
  • ライフスタイル

アドラー心理学は、他人と繋がる手段が増え、相対的に個人を意識させられる現代において非常に有用な思考法であり、理想を実現させるためのヒントを与えてくれます。

仕事、恋愛、人生における自分をより理想に近づけたい人は、アドラー心理学で生きやすくなるための思考を鍛えてみましょう。