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アドラー心理学

アドラー心理学に学ぶ子育て。「褒めないで育てる」ってどういうこと?

子育て中の人なら「アドラー心理学」というワードを一度は聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

このアドラー心理学は、子育てにも役立つものとして子育て世代に注目されています。

今回は、「アドラー心理学」とはどのようなものなのか、その中でも「褒めない子育て」についてご紹介します。

目次

アドラー心理学ってなに?

オーストリア出身で精神科医であるアルフレッド・アドラーが創り出した心理学です。

フロイトやユングに並ぶ心理学者で、「すべての悩みは対人関係にある」とし、その対人関係を改善していく方法を解説しています。

アドラーは、第一次世界大戦を経験しそのあまりの悲惨さにショックを受け、「子どもの明るい未来を守ること」を考え、そのための理論や療法を始めたそうです。

アドラー心理学は大人のためだけでなく、子どもに対しても有効で、子育てをしていくうえでたくさんのヒントやアドバイスを与えてくれます。

「褒めない」子育て

アドラー心理学では、褒めることは推奨されていません
自分の子どもなのに褒めちゃいけないのかと思うと驚きですよね。

褒めるということは、上の者が下のものを評価していることになり、上下関係が生まれてしまいます。
これは、アドラー心理学の教えからは外れてしまうのです。

褒められることに慣れてしまった子どもは、褒められるための行動しかとらなくななります。

例えば、「親に褒められたいから勉強する」など、本来の学ぶ喜びを感じられなくなります。

そうして育った子どもは、褒められない環境に不安を覚え、勉強や仕事が苦痛になってしまいます。

「褒める」ことは悪いこと?

アドラー心理学では、褒めることによっておこる問題点を挙げています。

上下関係をつくってしまう

目上の人に対して褒めることは、失礼なことです。
「褒める」という行為は、上の者が下の者を評価していることになるからです。

上下の関係は、操作や下心とも関係してきていると言われています。

上下関係ができてしまうと、子どもは親の顔色を伺うようになってしまいます。

相手が子どもであっても、対等な関係でなければなりません。

評価を気にしすぎるあまり、自立できない

褒めてもらうことが目的となるため、自分の考えや意見を持たない自立できない子になってしまいます。
自立できないと、自分の価値を見出せなくなり、劣等感を抱くようになります。

指示待ち人間になる

褒められることが当たり前になり、褒めてもらえない職場や環境では行動できなくなります
どうせほめられないなら、誰も見ていないところでは何もしない、ということです。

「褒める」より感謝

アドラー心理学では、「勇気」という言葉をよく使います。
勇気とは、困難に立ち向かい、克服する力のことを言います。

「えらいね」「よくできたね」と結果を褒める

この褒め方は、上の者が下の者をコントロールした言い方になり、子どもにとっては逆効果です。

褒められることが当たり前になり、大人になって社会に出たときに、褒められない状況に不安を覚えるようになります。

「たすかった」「ありがとう」と感情の言葉や喜びの言葉を伝える

こういった言葉を受け取った子どもは、自らの意志で相手を喜ばせようと考え、行動するようになります。

自分に自信がもてるようになり、自己肯定感が高まります。

こうして感謝を伝えることにより、親子間のヨコの関係を築くことができます。

「褒める」に代わる「勇気づけ」

アドラー式子育てでは、「勇気づけ」をすすめていますが、「褒める」ことと違うのでしょうか。

  • 褒めることは、相手が自分の期待の応えてくれた時、に対して、勇気づけは無条件で使われます。
  • 褒めることは、上から下へ与えるものとし、勇気づけは相手に共感することです。
  • 褒めることは、してくれた人に対して使う言葉で、勇気づけは自分の成長や自立心が生まれます。

勇気づけを実践すると、困難を乗り越える力が育ちます
子どもの気持ちに共感し、寄り添うことが大切です。

まとめ

  • アドラー心理学では「褒める」ことは推奨されていない
  • 「褒める」より存在に感謝しましょう
  • 「褒める」よりも「勇気づけ」の言葉がけを心がけましょう

子どもだからと言って下に見るのではなく、個々の存在だという認識を持つことが大切です。
子どもの存在そのものに感謝し、子どもの立場になって考えることを意識しましょう。

「褒めない」と一言で言ってしまうと「どうしたらいいの?!」と悩んでしまうかもしれませんが、内容をしっかり理解して実践すれば、子どもとの絆も深まるのではないでしょうか。

「勇気づけ」る言葉がけを心がけて、子どもの成長を支えてあげたいですね。