小さい子供が相手だと「課題の分離」が難しいと感じませんか?
アドラー心理学の「課題の分離」のポイントは、
最終的に困るのは誰なのかを考えることです。
今回は、幼稚園・保育園に通い始める3才〜6才頃の幼児に対する
「課題の分離」のポイントをご紹介します。
目次
家族以外の対人関係の始まり
3才〜6才頃は、幼稚園・保育園に通う子供が増えてきます。
もちろん保育園は0才から通えますが、3才児クラスからは受け入れ人数がぐーんと増えるのです!
保育士1人で担当者できる子供の人数は年齢毎に決められています。
年齢 | 保育士1人で担当できる子供の数 |
---|---|
0才 | 3人 |
1才・2才 | 6人 |
3才 | 20人 |
4才・5才 | 30人 |
(人数は概ね、なので園により前後します)
2才の6人と比べて、3才の20人は大幅アップですよね。
3才になれば、お世話される立場を卒業し、
家族以外の大人の話を聞いたり、集団で行動できるようになっていくのです。
幼児の記憶と予測は曖昧
3才頃からは、言葉が通じるようになってきます。
6才頃にもなると、しっかり会話ができているように感じます。
でも、幼児は記憶や予測はまだまだ苦手だということを意識しましょう。
覚えておく力が未熟なので、何度も同じことを言う必要があります。
先の事を考える力が未熟なので、危ないことや突拍子もない行動をします。
私は「いつも言ってるでしょ!」「なんでそんなことするの!」
と、よく怒ってしまいましたが、当たり前だったのですね…。
「大切なことを繰り返し教える」のが「自分(親)の課題」だと認識していれば、ヤキモキせず穏やかに過ごせたかもしれません。
年齢別「課題の分離」ポイント
年少さん(3才〜4才頃)の場合
「やってみたい!」「じぶんで!」があふれる
この頃は、自律性を身につける時期といわれています。
子供の「やってみたい!」という意欲のことです。
幼稚園・保育園という新しい環境で、たくさんの「やってみたい!」(=子供の課題)を見つけてくる事でしょう。
そして、今まで家族と過ごしてきた子供が、同年代の子供たちと接することで、大きな影響を受けます。
誰かがやる事を真似したり、
「じぶんで!」「じぶんもやる!」
という強い意欲が湧いてきます。
大人がやった方が早いから…と急がずに見守ることや、身支度に時間がかかる事を前提としたゆとりある時間配分などが、「自分(親)の課題」ですね。
自分でシャツのボタンをとめるって頑張っているけど、もうバスの時間!!
お願いだからやらせて!!
こんな毎朝のドタバタは、お約束です!
サポートし過ぎに注意しよう
なんでも先回りして親がやってしまうと、自分でやらなくても、親や周りの人がやってくれる、と思ってしまうかもしれません。
先生ひとりに対して、たくさんの子供を相手にする園生活。
誰かがやってくれるのが当たり前、では困りますよね。
まだ難しそうだから…と手伝いたくなる時もありますが、
子供がやりたい事、子供自身でできるようになってほしい事は「他者(子供)の課題」なので、踏み込み過ぎないようにしましょう。
年中さん(4才~5才頃)の場合
積極性を育てよう
「やってみたい!」「じぶんで!」の次の段階は…?
「あれもしたい!これもしたい!」です。
この頃は、積極性を育てる時期といわれています。
子供にとってやりたいこと=課題はたくさんあります。
そして、興味があることは(大人にとって)悪いことでも、やってしまうそうです。
水たまりでジャンプしないで!
と、親がいくら頼んでも、やりたいものはやりたい!!となる訳です。
汚れるのが嫌だとか、濡れると風邪を引くかも、とか。
どちらにしろ、後でたいへんな事になる!と大人は警戒します。
でも、後先のことなんて通用しないのです。
物事の善悪はわかっていない
ハサミやお箸を器用に使えるようになってきたり。
お友達同士の関わりが増えてきて、仲良しグループになったり。
そして年中さんになると、末っ子でもひとりっ子でも、年下の子と接することになります。
やって良いこと悪いこと、マナー、ルールなどを教えるのが「自分(親)の課題」となります。
できる事が増えると共に、危険も増えます。
記憶・予測が苦手であることを前提に、安全・危険などを判断できるように、繰り返し教えましょう。
年長さん(5才〜6才頃)の場合
「できない」経験は必要
「あれもしたい!これもしたい!」で色々な事にチャレンジしてきた子供は、できることとできないことを経験します。
「できない」という悔しさは、子供の成長にとって必要なものです。
できないことで自信を失くさないようにサポートが必要です。
この年頃の、できる・できないといえば…
さかあがり!
鉄棒の逆上がりです。子供が「逆上がりしたい」と思っているとします。
逆上がりの練習をするのは「他者(子供)の課題」。
練習をサポートするのは「自分(親)の課題」ですね。
やる気を引き出すのは大切ですが、親の方が熱くなり過ぎると、「もうやりたくない」とか「できなくてもいい」とか言われます。
大人でも、最初に苦手意識を持った事は、その後に取り組もうとしても気が進みませんよね。
子供の課題に踏み込み過ぎないように、「課題の分離」を意識してみましょう。
他の子と比較するのはやめよう
子供自身が、周りと自分を比べることができるようになっています。
ただの「できない」より、誰かと比べて「できない」の方が、悲しい気持ちになりませんか?
親が「○○ちゃんはできるのに」のように、他の子と比較するのはやめましょう。
他の人と比べないのもアドラー式子育てのポイントです。
まとめ
- やってみたい!を尊重しつつ、ゆとりを持って見守ろう。
- 積極性を育てつつ、物事の善悪やルールを教えよう。
- できない経験を経て成長する子供を見守ろう。
幼稚園や保育園で過ごす間は、基本的に園の方針に従うことになります。
定員や待機児童問題などもあり、のぞみ通りの園に入れるとは限りませんが、子供には楽しく充実した園生活を送ってもらいたいですね。
0才~3才頃の「課題の分離」ポイントについても紹介しています♪