アドラー心理学に学ぶハッピー子育てブログを訪問いただき、ありがとうございます。
このブログは、アドラー心理学を学んだことによって子育てが変わった経験を活かし、子育てに悩む皆さまに、子育てを楽にするアドラー心理学の考え方をご紹介するものです。
さて、これまで、アドラー心理学における大事な考え方である「自己受容」と「課題の分離」についてご紹介をしてきました。
「自己受容」とは、「ありのままの自分を受け入れること」そして、「課題の分離」とは、「自分の課題と他人の課題とを区別して考えよう」というものでしたね。
子育てで、つい落ち込みがちな時でも、まずは自分を受け入れてあげましょう、子育てでイライラすることがあれば、それは誰の課題かを考え、自分の課題にのみ集中すると落ち着くことが出来るというものでした。
でも、せっかく「課題の分離」をしても、子供に対して、本当に自分の課題を解決するのかと心配や、疑いを持ってみていたら子供はどんな反応を示すでしょうか? 子供は、きっと敏感に察して、かえって反抗したりするのではないでしょうか?
あるいは、子供によっては、親の要求にこたえることだけでいっぱいになってしまう、承認欲求を満たすことだけに必死になってしまうかもしれません。
子育ての目標が、子供の自立にあるとすれば、これは決して望ましいとは言えませんよね。
今回の記事では、子供の自立心が育つ「他者信頼」についてご紹介します。
目次
子供の自立心が育つ「他者信頼」とは?
「他者信頼」とは、文字通り、他者を「信じる」ことです。
アドラー心理学では、この「信じる」という言葉を、「信用」と「信頼」とに区別して考えます。そして、「信用」とは、条件つきの話であるとしています。
例えば、あなたが銀行でお金を借りる時、銀行は無条件にお金をかしてくれるでしょうか?
何かしらの担保が必要になりますよね。
銀行は、提供された担保の価値に対して、貸し出し額を算出する。つまり、「あなたが返済してくれるのなら貸す」「あなたが返済可能な分だけ貸す」という態度ですが、これらは、ビジネスですから当然と言えますが、見返りを求めていますよね。
では、これが子育てだったらどうなるでしょうか?
「子供が宿題をやるならば」とか、「子供が良い子でいるならば」といった、ある条件つきで子供を信用しよう姿勢ですが、このような場合は、子供は、常に親が期待すること(=条件)に応じようとしてしまします。
この場合、子供は、承認欲求を満たすことに必死になってしまい、いつまでも安心することが出来ず、望ましい状態とは言えません。「自己受容」が難しくなってしまいます。
「他者信頼」を可能にするたった1つのポイント
アドラー心理学では、対人関係の基礎は「信用」ではなく「信頼」によって成立すると考えます。そして、この場合の「信頼」を「他者を信じるにあたって、いっさいの条件をつけないこと」としています。
さきほどの銀行の例では、銀行は、見返りを求めていますから「信用」にあたります。
では、子育てでの「信頼」とはどのようなものでしょうか?
それは、自分の課題と、他人(=子供)の課題とを分離(「課題の分離」)したうえで、子供が自分の課題を解決することを信頼して、いっさいの条件をつけずに見守る姿勢になります。
親ができることは、子供が自分で課題を解決できるよう励まして行くこと割り切り、子供が自分の課題を解決できるよう信頼し、励まして行くという姿勢になります。
アドラー心理学では、これを「勇気づけ」と呼びました。
こうした「勇気づけ」を受けた子供は、無条件で信頼されることによって、「自己受容」することができ、いろいろなことに積極的に挑戦しようとする自立心を獲得することができるのです。
まとめ
今回は、アドラー心理学の大事な考え方である「他者理解」をご紹介しました。
まとめてみますと…
- アドラー心理学では、「信用」と「信頼」とを区別している。
- 「信用」と「信頼」を区別するポイントは「相手を無条件に信じられるか」である。
- 無条件の「信頼」で「勇気づけ」を行うことで、子供の自立心が育つ。
いかがでしたでしょうか?
子供にできないことがあると、つい条件づけをしてしまいます。
でも、その条件づけは、子供が自分の課題を積極的に解決する姿勢を弱めることにも繋がっているのです。
最初のうちは、無条件で信頼することはなかなか難しいものですが、結果的に、子供の自立心を育てることに繋がります。是非、試してみてください。