アドラー心理学はご存じでしょうか?
アドラーとは、1937年に67歳という若さで
短い生涯を遂げたオーストラリア出身の精神医学者です。
2014年にアドラー心理学に基づく内容で構成されている
「嫌われる勇気」という自己啓発本が大ベストセラーになりました。
この書籍は、のちにドラマでも放送されとても、話題になりました。
今回は、そんなアドラー心理学の内容の1つの「課題の分離」について簡単にご紹介します♪
目次
課題の分離って何?
まず、「課題の分離」とは、問題や課題を目の前にして、
この問題・課題の最終的な末路を経験し、責任を負うのは誰か」を考え、
「この課題に向き合うべきは、私自身だ!」
「自分の課題だと思っていたけれど、本当はあの人の課題だわ!」といったように、課題が誰に属しているのかを仕分けていくことを言います。
そして、誰の課題なのかが明確になったら、自分の課題にだけ向き合い、他者の課題には介入しないようにします。
課題の分離の具体例
子ども部屋を、なかなか片づけない子供に対して
あなたはのように、子どもに声をかけますか?
課題の分離では、子どもに
「片付けしなさい!」と子どもに言う行動は、
これは他人の課題にふみこんでおり、片付けは子ども自身の課題と考えます。
もちろん、「片付けしなさい!」と子どもに言うと
片付けをするかもしれません。ですが、
「片付けしなさい!」と言わないと、子どもは片付けをしません。
では、どうするのか?
例えば、
■本人が楽しく片付けができる環境を一緒に考える
→ゲーム感覚で、3分以内に片づけできるかチャレンジ♪のように楽しく片付け
■やり方を教えてあげる
→「このBOXに、このおもちゃをまとめてみたらどうかな?」
「先に絵本を片付けするのはどう?」
■片付けができなかった人の話
→「ママも小さい頃は、片付けができなかったけどこんな風にしたらできるようになったよ!」
■しないと、どうなるかを教えてあげる
→「片付けしないと、お友達遊びにこれなくなっちゃうよ?」「散らかっているお部屋だと、どこに何があるか分からなくなっちゃうよ?」
大切なのは、それぞれが自立心を持つこと。
子どもの課題は、子どもだけの課題であり
最後の決定や、答えは親ではなく、子ども自身が決める
課題の分離とは、子どもの自立を促すことに繋がる
ついつい、日常では「○○しなさい!」「○○した方がいい!」「○○だよ!」
と、子どもに対して叱ったり、親の意見を押し付けたりしてしまうことが多いかと思います。
親は、知らない間に課題の分離をせず、グイグイ子どもの課題に足を踏み入れています。
ですが、子どもが何か課題を目の前にしたとき当たり前に子どもの課題にグイグイ足を踏み入れ、お母さんの言う通り子どもが行動した際、その課題に対して
成功した場合は⇨お母さんのおかげで成功した。(=自分の力だけではなく、お母さんがいたから成功したと思ってしまう。)
失敗した場合は⇨お母さんのせいで失敗した。(=自分は悪くない。お母さんのせいにしてしまいがち。)
じゃあ、子どもの課題には踏み込まないで、何もしないってこと?
いいえ。そうではありません。
ここで大切なのは、放置ではなく子どもを見守ることです。
もし、子ども自身が考え、自分で決めたなら
成功した場合は⇨自分が頑張ったから成功した。(=努力してよかった、こうして良かった等々・・更に向上心を持つ。自信に繋がる。)
失敗した場合は⇨失敗したけど、次はこうしよう。(=前向きになれる。自分で決めたことなので人のせいにせず、責任を持てるようになる。)
誰かに言われたから、○○をする。
怒られるから、〇〇をやる。
これでは、自立心は育ちません。
自分自身で、決断し何か成功したり失敗したりすることで自立していきます。
子供は子供の人生。
もちろん親もしかり。自分で人生の選択を1つずつ自由に選ぶことが大切です。
アドラー心理学の自立とは?
アドラー心理学の自立とは、この2つが挙げられます。
1,自分のことを自分でできるようになること
2,自己中心的な生き方から脱却
「1,自分のことを自分でできるようになること」の自立は、成長の過程での自立です。
赤ちゃんが、親がミルクをあげていた状態からやがて自分で食べられるようになる。
幼稚園になると、自分の身の回りのことが自分で出来るようになる。
対して「2,自己中心的な生き方から脱却」の自立は
赤ちゃんの頃は、誰かがお世話しないと生きてはいけません。
そして親は、赤ちゃんを中心に今までの生活を変化させ
赤ちゃん中心、赤ちゃん優先の生活をするでしょう。
しかし、赤ちゃんもどんどん大きくなってやがて色々なことが
親の手を借りずとも、ひとりで出来るようになる日がやってきます。
そして家族の一員になるでしょう。
今までは、赤ちゃん中心でしたが家族の一員、1人の人間になり成長していく。
これがアドラー心理学での自立であり、
あくまで親は子育ての目標として自立へのフォローを行うものです。
しかし、この1人の人間になり成長する邪魔をするのが、子どもの課題に口を出すことです。
「○○した?」「○○しなさい」言ってしまいがちですが、言わないでください。
子どもの自立を妨げてしまいます。自立のフォローをしましょう。
まとめ
- 子どもが自分自身で考え、決断し責任を持つことが大切
- 子どもが頼ってきたときにはアドバイスしてあげる
- 親が子どもの課題に踏み込まず、自信をつけたり前向きになれるよう見守ることが自立へ繋がる
今回は、課題の分離と自立についてご紹介しました。
ついつい、子どもの為を思って「○○しなさい!」「○○しないと!」と言ってしまいがちですが、
少し考え方を変えると子どもに考えさせ、子ども自身に決断させることでぐ~んと子どもは成長します。
子どもを信じて、親は見守りそして時にはフォローしながら、
子どもと一緒に親自身も成長していきたいですね♪