アンガーマネジメントという言葉は聞いたことがありますか?
これは、怒りや悲しみ、劣等感などのネガティブな感情を自分自身で整理し、客観的に見ることで、強い感情を抱いた時でも冷静にコントロールして解決できるスキルです。
目次
アドラー心理学から見る「怒り」とは
アドラー心理学では、怒りは単体では成り立たない二次感情としています。
まず、一時感情とは
不安・寂しさ・悲しみ・くやしさ・苦しさ 等を指します。
これらの感情が解決しないときに「怒り」を解決するための道具として使います。
具体的な例で考えてみましょう。
何度言ってもお片づけをしない子どもを見て、怒りがこみあげてきたAさん。
この場合、言うことを聞いてくれない悔しさや、このまま育ってしまったら・・という不安があるかもしれません。
そこで、一時感情を解消するために「怒り」で解決を試みるのです。
怒りの目的とデメリット
アドラー心理学では過去の原因よりも、目的に目を向けます。
先ほどのAさんの例だと、子どもが片づけないから怒るのではなく、ある目的があって怒鳴ってしまうのです。
同じ問題に直面しても冷静に伝える人や、何度でも教える人もいますよね。
怒りの代表的な目的は
支配すること・優位に立つこと・権利を守ること・正義感を発揮すること。
Aさんの場合は言うことを聞かせるための支配や、正義感が当てはまりそうですね。
子育て以外の場面でも、反抗的な学生や職場の部下・夫婦げんかでどちらが主導権を握るか・・などでも怒りが用いられています。
怒ることでその場は収まるかもしれませんが、それによって怒った側は一種の成功体験を積んでしまいます。
怒りで解決できると学んだので、些細なことでも怒りでコントロールしようとすることが増え、いわゆる「怒りっぽい人」になってしまうのです。
また、怒りを向けられた側から見ても一時的な解決だけで、根本的な解決はされていない場合も多いです。
大声で怒鳴られたときって、「〇〇が良くなかったからこうしよう」よりも「めっちゃ怖かった・・」という恐怖心に支配されませんか?
アンガーマネジメントを覚えよう
怒りのデメリットが分かったところで、実際に怒りのコントロールをしていきましょう!
まずは冷静になる
当たり前に聞こえますが、意外とできていない人が多いです!
脳研究の説によると、大脳辺縁系で怒りが発生してから理性が動くまでに6秒のズレがあるといわれています。
この6秒、何もせず待つのはつらいので・・
- 深呼吸
- 怒りレベルを10段階評価する
- 物理的に離れる
- 怒っている自分を客観視・心の中で実況中継
などで、まずは冷静さを取り戻しましょう。
感情ではなく言葉で伝える
冷静になったら、怒りの前に感じたであろう一時感情を言葉で伝えるほうが、建設的な解決が望めます。
不安・寂しさ・悲しみ・くやしさ・苦しさ・がっかりした・・
「散らかったおもちゃであなたやお父さんがケガしたら悲しいし心配なの。遊び終わったら片づけてほしいな」
「〇〇されるのがつらかったから、△△してくれない?」
怒りではなく、言葉で伝えていきましょう。
また、その場限りではなく、長期的に相手にはどうなってほしいのかを考えて言葉を選ぶことも必要です。
わかっちゃいるけど難しいという人へ
「頭ではわかっているけどついつい・・」
そう思う方は理性と感情は別々でコントロールできないと思っていませんか?
しかし、
子どもを叱っていたけど、電話が来たとたん上品な声色に変わる母親
後輩相手に偉そうにしてたけど、先輩が来て態度が一変する
そんな経験はありませんか?
人間が感情に支配されていたら、こんな器用なことはできません。
「〇〇な人に見られたい」という目的があるから、このように使い分けられるのです。
まずは、
支配すること・優位に立つこと・権利を守ること・正義感を発揮すること・・
自分がこのような目的があって自分で怒りを選んでいると自覚することです。
コントロールできないんだから自分は悪くない!という言い訳は通用しないのです。
また、その怒りの中に、「こうするべきだ」「〇〇するのは間違っている」というあなただけの偏った固定概念や思考がないかも振り返ってみましょう。
周りのひとが特に怒っていないのであれば、その可能性はあります。
また、怒りや涙で相手を従わせようとするのは小さな子供と変わらないということも自覚し、大人のふるまいを身に着けていきましょう。
まとめ
- 怒りとは二次感情である
- 怒るのには原因ではなく目的がある
- まずは冷静になり、言葉で伝えよう
- 感情をコントロールできるのが大人!
アンガーマネジメントのポイントを押さえると、イラつくことやストレスがどんどん減っていきます。
初めは我慢が必要かもしれませんが、まずは6秒待つところから始めていきましょう♪