アドラーは人生において避けられない課題の事をライフタスクと呼びました。
そして、
以前の記事では仕事・交友のタスクについて説明させていただきました。
今回は最後のひとつ、愛のタスクについてです。
目次
愛のタスク
愛のタスクとは、カップルを基本とした、親子も含めた家族の関係を指します。
仕事や交友のタスクと比べると範囲が限定されており、交際、結婚、出産や子育てなどといかに向き合っていくかという課題です。
家族や恋人は、距離がとても近いからこそ、よりお互いを尊重しながら長期的な関係を育む必要があるので、3つのタスクの中で最も難易度が高いとも言われています。
ここで必要になってくるのは、自己中心な考えから抜け出すことです。
「私」だけではなく、「私たち」の幸せを考えていくことで、家族としての幸せをより感じられるようになるでしょう。
愛されたい!から抜け出そう
パートナーに愛されたい!
家族みんなに愛されたい!
誰もが持つ、当然の感情だと思います。
愛されたい、認められたい・・などは承認欲求と呼ばれますが、アドラーは承認欲求を否定しています。
なんて厳しいんでしょうか・・・
でも、否定する理由があるんです。
「愛されたい!」を目的にすると起こる事
愛されたい!必要とされたい!という欲求があまりにも強いと、相手の望む価値観を演じていくことになります。
例えば・・
夫は完全手作りの自炊を理想としているけど、自分はそこまでこだわるのは正直厳しい。でも相手が望むならなんとかやろう・・
自身が料理大好きで、作る時間や余裕もあるなら良いと思います。
ただ、本当は嫌なのに無理して頑張って、何年も相手の期待にこたえ続けるのは他人の人生を生きるのと同じことです。
幸せだと胸を張って言えるでしょうか?
また、自分より相手の意思に沿って行動を選んでいると、悪い結果を迎えたとき、「相手のせいだ!」と絶望したり怒りを覚えることがあります。
相手の意思に沿うことを自分で選んだ自覚が薄いのです。
自分の人生を他人にゆだねているようなものですから、実は工夫せず、考えなくて済むラクな生き方とも言えますが、幸せかどうかは別ですよね。
まずは、自分の意思を伝えたり、実行してみませんか?
自己犠牲をやめて自分の人生を生きる
自己犠牲することをやめて、相手の期待に応えないのって
自分勝手で相手を尊重できない人になるのでは??
そんなことはありませんよ!
承認欲求は自己中心的?
承認欲求の内実を考えてください。他者はどれだけ自分に注目し、自分のことをどう評価しているのか?つまり、どれだけ自分の欲求を満たしてくれるのか?・・・・こうした承認欲求にとらわれている人は、他者を見ているようでいて、実際には自分のことしか見ていません。他者への関心を失い、「わたし」にしか関心がない。すなわち、自己中心的なのです。
引用:岸見 一郎・古賀 史健 著『嫌われる勇気』
ベストセラー本の一節ですが、私にとっては衝撃的でした。
承認欲求とは実は自己中心的な考え方とも受け取れるのです。
自分の意見ばかりは自己中だと思いきや、承認欲求のみでの行動が、すでに自分勝手な行動だったのかもしれません。
課題の分離をして尊重しあえる関係に
課題の分離とは、自分が結末を負う事には責任を持ち、他人の課題には干渉しないことを指します。
職場や友人であれば、違う価値観だということを認識して、譲り合ったり尊重できたりできるんですが、家族になると考えを押し付けがちになりませんか?
まずは、自分自身が他者の課題に踏み込まないことから始めましょう。
家族に「△△しなさい、〇〇はやらないで!」など
命令ばかりしているのは、相手を支配しようとしている行動です。
自分が価値観を押し付けているなら、相手から強要されても仕方ないですよね。
宿題をやるかどうかは子どもの課題で
残業せずまっすぐ帰るかどうかは仕事をしている人の課題
料理をこだわるか、効率重視で作るかは作る人の課題です。
「あなたのためを思って・・」という言葉の裏に
自分の思い通りにならない不満が隠れていることもあります。
その上で、夫婦で仲良くするとか、自宅で快適に過ごすなどの家族全員で目指したい課題(目的)があるかと思いますので、そこは命令ではなくお願いや提案として話し合いましょう。
お願いなので、強制はダメですよ!(笑)
自己中心的にならず、自分を犠牲にしないポイントは
- 自分が納得・満足したうえでその決断をできているか
- 行動の結末は自分が請け負うものか(課題の分離)
- 行動で相手の労力や時間を奪ったり、心身を傷つけたりはしていないか
- 行動で、自分や周りに貢献できるものはあるか
このポイントを押さえたうえで、自分と相手の意思の両方!尊重していきましょう。
まとめ
- 愛のタスクとはより良い家族関係の構築
- 承認欲求が強すぎると自分の人生を生きられなくなる
- 課題の分離をして、お互いの価値観を尊重しよう
承認欲求をゼロにする必要はなく、大切なのは承認欲求だけで行動をしないことです。
嫌われる勇気の一節を思い出し、自分だけではなく相手のこともちゃんと見て行動できると、同じ行動でも気持ちが違ってくるはずです♪