岸見一郎氏・古賀史健氏の著書「嫌われる勇気」から世間に広まりつつあるアドラー心理学ですが、「結局アドラー心理学ってなに?」と疑問に感じている方もいるんじゃないでしょうか。
なんだかややこしくてわかりにくそう・・と抵抗を感じてしまう人のために、アドラー心理学を参考に自分の人生を生きていくための5つのポイントについて解説していきます!
目次
原因論から目的論へ
アドラー心理学では、
「すべての結果には必ず原因がある」と考えます。
例えば「不安があるからひきこもっている」というのは原因論で、
アドラー心理学では「外に出たくない(目的)から不安という感情(状況)を呼び起こしている」のです。
つまり「他人や環境のせいで▲▲ができない」のではなく、
「▲▲できないのを他人や環境のせいにしている」んです!
初めて見た方にとっては厳しい考え方に見えるかもしれませんね。
しかし、学校で嫌なことがあった人が100%ひきこもるわけではなく、
そこを乗り越えて学校生活を楽しむ人もいるわけです。
過去の出来事が100%現在の結果を招くわけではなく、そこに何かしらのメリットがあるからその行動を選んでいる
とアドラーは考えるのです。
承認欲求を捨てる
アドラーは、「全ての悩みは人間関係にある」としています。
そんな人間関係の悩みに大きく関わってくるのが承認欲求。
認めてほしいから、褒めてほしいから、怒られたくないから、嫌われたくないから・・
このような他人軸で行動していると、あなたのゴールが「認めてほしいから」になってしまうし、自分自身を失う危険性もあります。
私たちは誰かの期待を満たすために生きているのではないですよね?
自分の人生は自分で選び、自由に生きていきませんか?
自分で選ぶには、等身大の自分自身を受け入れることも大切。嫌いな自分の選択を信じるのは難しいですからね!出来る自分、出来ない自分をそのまま受け入れて、認めてあげましょう。
アドラーは
「できない自分を責めている限り永遠に幸せになれないだろう
今の自分を認める勇気を持つものだけが本当に強い人間になれるのだ」としています。
不要な承認欲をなくす手助けとなるのが、「課題を分離」して、自分の信じる道を選ぶことです。
課題の分離
これは名前の通り、自分と他者の課題を別々に考えることです。
Aさんの夫はあまり家事をしてくれず、褒めてもくれず文句ばかり。
Aさんは精神的ストレスで家事ができません。
アドラー心理学では「夫のせいで家事ができない」は人生の嘘で
「家事ができないのを夫のせいにしている」だけです。
全部Aさんが悪いと言っているわけではなく、
課題の分離ができていないだけなので、そこは誤解しないでくださいね。
これについて課題の分離をすると、
夫のAさんに対する接し方は「他者の課題」
家事を実行することが「自分の課題」です。
家事代行を頼もうが、今日はこれだけする!と決めようが、それが自分で信じて選んだのならOK!他者からの文句は他者の課題・問題です。
これは逆の立場でも言えることで、他人を変えることはできません。
だけど、自分が変わることで相手も変わることがある、という考え方です。
子どもに勉強するように言ってもなかなか聞いてくれませんよね。
自分の子ども時代を振り返ってもそうでした・・
いくら正しい事だとしても他者から強制されると反発してしまうもの。
この時の自分の課題は、子どもを信じて勇気づける支援者となることです。
他者の課題に踏み込まず、自分の課題にも介入させないことが、対人関係の悩みを軽くする第一歩です。
人生は競争ではないと理解する
対人関係の代表的な悩みのひとつとして、劣等感が挙げられると思います。
他人の幸せや成功を素直に喜べないことはありませんか?
劣等感を感じてしまうひとは、
- 無意識に相手を敵とみなしている
- 相手の成功=自分の負け
という認識があるかもしれません。でも、あなたの周りにいるのは敵ではなく
共に成長していく仲間です。また、他人が幸せだからと
自分の幸せが減るわけではないですよね?
アドラーは「健全な劣等感とは他者との比較でなく理想の自分から生まれるものだ」
と言います。この考え方ができるようになると、「自分は仲間のためになにができるかな?」と考えられるようになります。これが共同体感覚です。
共同体感覚を持つ
アドラーは、「共同体の中に居場所があることが幸福の条件」としています。
共同体とは家族や会社、学校などのコミュニティを指します。
このコミュニティの中で価値ある存在なんだと感じるために人が求めるのは、
承認欲求と他者貢献の2つ。
ただ、前述したように承認欲求をベースに考えてしまうと
その先にあるのは他人に縛られた不自由な人生です。
見返りを求めず、周りのために自分が何かできないか?
を行動基準にして貢献していくことが幸福につながっていきます。
まとめ
- 原因論ではなく結果論で考える
- 承認欲求を捨て、等身大の自分を認める
- 自分と他者の課題は別にする
- まわりのひとは敵ではなく仲間であることを認識する
- 共同体感覚を持ち、自分がまわりに何ができるかを行動基準にする
以上、アドラー心理学の5つのポイントを押さえて、
自分で幸せな人生を選んでいきましょう!