5~10歳の子どもは、幼稚園や学校で多くの刺激を貰ってきます。
意志もはっきりしてきて、対応に悩むこともあるのではないでしょうか。
アドラー心理学に基づく子育て法「パセージ」。
これは「勇気づけの育児」と呼ばれ、褒めず叱らず子どもが勇気を持って行動できるように支援していく姿勢をとっているんです。
パセージのポイントをおさえて、大人への階段を上る子どもたちを一緒に応援していきませんか?
目次
友だちが出来る【5歳~】
5歳以前でもお友達はいたかもしれませんが、ここでは大人が手を貸さず、自分たちだけで遊べるようになることを意味しています。
これくらいの年齢になると、自分で歯磨きしたり宿題をする能力がついているので、どんどん子どもに任せていく事が自立に繋がります。
ただ、予測する能力がまだ未熟なところがあります。
行動出来ない時にも叱らず、「夜遅くに寝ると明日どんな事が起こると思う?」「歯磨きしないとどうなるんだっけ?」などの問いかけをしてみましょう。
問いかけで子どもが自分で考えて行動するかもしれませんし、または
「ちゃんと目覚ましで起きられるから大丈夫だよ!」なんて言うかもしれません。
「お母さんは目覚ましで起きられない事があるから9時には寝るけど、Aくんも寝ない?」などの提案も子どもの予測を手伝ってくれます。
それでも親の希望通りにはいかないことも多々あります(笑)
ただ、子どもは自分とは別人格で、コントロールできない事は頭の片隅に置いておき、なるべく強制はせずに見守ることが大切です。
目覚ましで起きられなかったり、寝坊して朝ごはんが食べられず登校することになったりする経験で、身をもって学ぶことができるのです。
自然のままに任せちゃいけない4パターン!
前述のように、子どもが失敗をする可能性があっても任せることを「自然の結末に任せる」と呼びます。
この結末によって学べることはたくさんありますが、場合によっては自然の結末に任せることはNGになります!
子どもに身の危険がある場合
道路に飛び出したり、立ち入り禁止の工事現場に入ろうとするのは、いつ子どもの命が危険にさらされるかわかりませんよね。
なんとしてでも阻止です!
結末の体験が勇気をくじく場合
子どもに体験してほしいのは、「自分には能力がある(できる)」「みんなは私の仲間だ」という学びです。
問題に直面した時、「誰も助けてくれない、敵だ」という思いを感じてしまう可能性が予想される時には、子どもだけに任せず一緒に考えて解決していくほうが賢明です。
人間関係などで、明らかに精神的・肉体的に傷ついている場合には「家族はいつでも自分の味方だ」という思いは本当に心の救いになります。
行為と結末の関係が理解できない場合
5歳以降では大丈夫ですが、言葉が出る前の幼い子だと「○○すると、○○が起こる」という因果関係が理解できませんので、子ども自身に任せても学べない場合があります。
5歳頃になると理解できるようになりますが、前述のように起こる前のことを予測するのはまだ苦手です。
「スーパーで走ったら危ないでしょ!」と注意しただけでは理解できず、お母さんに怒られたことだけ心に残る場合があります。それだとお父さんと来た時に繰り返すかもしれませんね。
「走ったらどうなる?」「腰が曲がったおばあちゃんとか小さい子どもがいたよね。ぶつかったらどうなると思う?」など、一緒に考える手伝いをしていきましょう。
誰かに迷惑がかかっている場合は、誰が聞いても理解できる、筋の通った話をして子どもに協力を頼むと、納得して協力してくれる可能性が高くなりますよ♪
+αで知りたいエリクソンの発達心理
心理学者であるエリクソンの発達心理学も知っておくと、さらに子どもへの理解が深まります。保育士さんも学んでいる発達段階で、パセージと共通する部分もあるので、きっと勇気づけを後押ししてくれるはず♪
5~12歳【勤勉さ 対 劣等感】
子の時期は学童期と呼ばれ、小学校などに通い始め勉強することの楽しさを知る時期です。そう、最初は勉強って楽しかったんですよね・・!
学校では宿題や、長期休みの課題が出されるので『課題を計画的にこなすこと(勤勉)』が必要で、これを繰り返していくことで自分に能力があることを感じられます。
でも勉強はどんどん難しくなるし、子どもによって得意不得意・勉強のスピードは様々です。授業について行けなくなったり、勉強はわかるけど計画的な勉強法がわからない・・と悩む子どもも出てきます。
そんなときにただ叱るだけでは解決はせず、「自分は勉強ができない、わからない・・」と劣等感が生まれ、ただただ勉強が嫌いになるばかり・・
学習って、学校を卒業してからも続くものですから、人生にかかわる大切なこと。
学校の授業についてどう思っているのか、宿題が多いと感じているのかなど、コミュニケーションを心がけ、「困ったことがあればサポートするよ」ということを伝えていきましょう。一緒に宿題を考えたり、子どもが望むなら塾を検討する、近くにいてわからない時だけ教えてほしいなど、家庭によって選択肢は色々ありますよ♪
まとめ
- 予測の手伝いをして行動自体は見守っていく
- 危険なこと、勇気をくじく事、この年齢で理解できない事には要注目
- 劣等感を感じないように行動を支援していく
子どもによって性格や成長スピードはそれぞれなので、悩む事もありますが、その子だけの個性は大切にしてあげたいですね!
出来たら上出来、出来なくてもまぁ仕方ない!
子どもも親も初心者同士、必要以上に気負わず毎日を楽しんでいきましょう♪