子を持つ親が避けて通ることにできないと言われている「魔の2歳児」。
「靴下履くのイヤ」「食べるのイヤ」と、事あるごとにイヤイヤを繰り返します。
目に入れても痛くないほど可愛い我が子であっても、うんざりしてしまうこの時期、アドラー心理学が有効なのです。
普段からイライラしてしまい、その後自己嫌悪に陥ってしまうという親御さんに、「魔の2歳児」との付き合い方を伝授します。
目次
「魔の2歳児」とは
個人差はあるものの、2歳児になると言葉が少しづつ分かるようになり、会話も成り立つようになってきます。
色んなものに興味が湧き、自分で考える力を身につけるようになります。
ですが、やはりまだ2歳児。
やりたい気持ちと、それをうまく伝えられないもどかしさから、「イヤ」という言葉で伝えようとします。
自我が芽生えてくるため、親の言うことをなかなか聞いてくれなくなり手が付けられなくなるのです。
これが「魔の2歳児」です。
この時期を一般的に「イヤイヤ期」と呼び、日本では「第一次反抗期」とも言われています。
アドラー式子育ての特徴
アドラー式子育てにおいて大切にされていることは、「子どもに勇気を与えること」「子どもに❝共同体感覚❞を持たせること」とされています。
この感覚を身につけるためには、子どもの自己肯定感を高め、「自立」させることが最終的な目標となっていきます。
そのために、親として子どもにどんなことをしたらいいのかを考えていきます。
叱らない子育て
アドラー式子育ては、「叱らない子育て」とも言われています。
叱らないとは、子どもがしてはいけないことに対して何も言ず、したい放題にさせている放任主義とは違ってきます。
決して感情的になるのではなく、その行動について説明し、子ども自身にも分かってもらおうと一緒に考えます。
なかなか難しいことではありますが、穏やかに教えることで子どもに自信を与えることにも繋がります。
褒めない子育て
アドラー式子育てでは、褒めるということは奨められていません。
褒められることは、当たり前にされていることではないからです。
例えば、社会に出たとき、上司や同僚がいつも褒めてくれるとは限りません。
褒められることがなくなったとき、他人に対して劣等感を感じてしまい、挫折してしまうことに繋がります。
褒めずに、存在そのものに感謝することが大切だと言われています。
「えらいね!」よりも「ありがとう!」と感謝するのです。
すると、子どもは褒められるために行動するのではなく、自分から相手を喜ばせたいと思うようになります。
「魔の2歳児」と上手に付き合っていくには
選択肢を与える
この時期は、ママをはじめ誰かに決断されるということを嫌がります。
危ないから、時間がないからと決めつけるのではなく、子どもを信じて判断をゆだねてみましょう。
例えば、
「リンゴジュースとオレンジジュース、どっちがいい?」
「今日保育園に来ていくお洋服、黄色いシャツか、しましまのシャツ、どっちがいい?」
など。
小さい選択肢から少しずつ与えていくことで、好奇心や自我が満たされ、イヤイヤ期が減っていくことに繋がります。
アタッチメント強化を図る
子どもに反抗されると、頭に来ます。
それが続くと、子どもから距離を置きたくなってしまいます。
しかし、アタッチメント(親子間の絆)が強いほうが、イヤイヤ期をスムーズに終わらせることができる、というデータがあるのです。
時間が許す限り、子どものしたいことに付き合ってあげ、子どもが助けを求めてくるまで見守ることも大切です。
常日頃から親子間の絆を育み、スキンシップを充実させることで、子どもの心が安定してきます。
まとめ
- 「魔の2歳児」と「イヤイヤ期」は、避けて通れない道
- アドラー式子育てを実践すると、自立した子どもに育つ
- 「魔の2歳児」と上手に付き合っていくには、選択肢を与えることと、親子間の絆の強化を図ることが大切
毎日「イヤ」と言われ、ついイライラしたり、うんざりしてしまうこともあります。大声で怒ってしまう前に1度深呼吸をしてみるといいかもしれません。
「自立していきたい気持ち」と、「まだまだ甘えたい気持ち」とを行ったり来たりしている経験が、この時期の子どもの成長には欠かせないものとなります。
子どもにとってのイヤイヤ期は、大人になっていくために、頑張って成長しようとしている証拠です。
できるだけ心に余裕をもって子どもに向き合っていきたいですね。